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2周目 願9 ページ30

零の怒声で意識が覚醒した。
気を失ったと言っても、どうやら一瞬だったらしい。

痛む身体を無理矢理にでも動かして、階段を登った。こんな痛み、彼らに比べれば微々たるものだ。

屋上への扉を開くと、飛び散った赤に仮面すら忘れて泣き縋る零がいた。
彼は恨めしそうにライと呟いた後、こちらに歪んだ仄暗い視線を向けた。

力が抜けていく。思考が鈍くなっていく。

どうしてこうなった?
私の見通しが甘かった所為だ。

もっと他にもあっただろう?
敵わないことなんて、わかりきっていた。しかもこれは予期できなかった事じゃない。

あの時とは違う。

わかっていた事だ。

なのに、私は助けられないどころか…
零に余計な苦しみを与えてしまった。

私が彼の前に立ちはだかったから…

私のやる事はいつも、いつも無駄な事ばかり。
無駄どころか、余計な事をしている。

ライよりも早く諸伏を見つけていれば…
場所が変わっていたなんて言い訳にならない。
私は何が起こるかわかっていたんだから、発信機でもつければよかった。

たとえそれが元になって、組織に疑われる事になるとしても…
助けられるなら、私が×んだっていい。×ぬべきだ。それで救えるのなら、命なんて惜しくはない。

ああ、お願いだからもうやめてくれ。
もう、私から…
彼から…

奪わないでくれ。

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作者名:89* | 作成日時:2018年9月24日 17時

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