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2周目 願2 ページ23

運命の日。
私はいつしかこの日をそう呼んでいた。今日は私が幼稚園に通い始める日。

ここで零に会えなければ私は暫く、いや下手をすれば一生立ち直れないだろう。
けれど何処かで確信していた。

やはり何度見ても"昔"と同じ顔、声、名前の両親と私。この世界は、私が生きていた世界の過去だと思っている。

そう思いたい。



賑やかというよりは、騒がしい子供の声が飛び交う中、私は視線を巡らせた。

大人同士の会話が終わった様で、名残惜しそうな顔をした両親がいた。私は彼らに手を振ってにこりと微笑んだ。

両親に背を向けて、貼り付けた様にも見える大人の笑顔を受け流し、金色を探しに子供達の中に紛れ込んだ。

前と変わらず部屋の隅で小さくなっている彼に、私は声を掛けた。
荒れる内心を押し隠して、何でもない無邪気な子供になりきって、私は褐色の彼に話しかけた。

「何やってるの?」

覗き込む様にして問いかけると、彼は私に気がついた様で、目をパチクリさせて問いかけた。

「きみはだれ?」

その瞬間、私の世界は鮮やかに色付いた。
3年と数ヶ月、4年弱の間どれほどこの日を夢見ただろう。色褪せた世界に、眩い光を放つ金と蒼が映り込んだ。

それを中心に色が、光が広がっていく。

「私は白木A。」

「ぼくは、ふるやれい。」

お互いに名乗りあって、どちらともなく笑いあった。


神から与えられたチャンスに、決意を新たにする。萩原と松田を爆弾から、諸伏を組織から、伊達を交通事故から助ける。

大人になっても、年老いても、変わらず6人で笑いあえる未来へ想いを馳せる。

不幸がある度、誰にも悟らせずに薄暗い場所へ埋もれてしまう零を、救いたい。

今度は生きて助ける!

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作者名:89* | 作成日時:2018年9月24日 17時

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