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17人目 ページ17
いつもとは違う白い空間。
私は1人で立ち尽くしていた。
いつもとは正反対の色は私の神経を逆撫でする。
夢の中というのは、その者の心をうつすと言われることがある。
今回の夢はきっとそうではないのだろう。
私はこんなにも純粋な人間ではないのだから…
何もない。
爆発音も周囲の悲鳴も、笑う声もなにもかも…
世界に独り取り残されてしまったような気がした。
突如、何者かの声が響き渡った。
…え……ち…すを…
言葉というには欠けている途切れ途切れに落とされる音。
い…か……がいを…
意味を汲み取れない。それに苛立ちを感じて私は叫んだ。そのつもりだった。
声が出ない。口だけは動くが息が吐き出されるだけで、音は1つも出なかった。
代わりにどこか遠くで響いていた声が、背後から伸びてくる。
精々足掻けよ
悪魔のような囁きに私は飛び起きた。
頭の側に置いてあった携帯を見ると20分程度しか時間が経過していなかった。
私は再びベッドに身を沈める。
休めと言われた手前こんなに早く行っては心配をかけてしまうだろう。
どうするか…
思考を働かせると徐々に目が冴えてくる。
もう一度眠るのは難しそうだ。
ふと、声が降って来た。
「もう、起きたのか？」
心配そうな、零の声だった。
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作者名：89* | 作成日時：2018年9月24日 17時
