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強い想いは奇跡を起こす。



けど、私には何も変えられなかった。

奇跡なんかではなかったのだ。

私を試すための神の遊び。

もしくは神なんかいなくて、
悪魔の遊戯だったのかもしれない。

何度も何度も繰り返して…

数えきれない頃になって。

私は諦めた。

私は自分には彼らを救う事なんて出来ないと悟った。

だから彼女を呼んで私の物語は幕を閉じた。

彼女の歩む道を、
彼らを救う道を、
眺めるだけしか出来なくなった。

ちょっと…

本当は凄く悔しいけど、
彼らが救われるなら私はそれでいい。
たとえそれを彼らが認知出来なくても、
私が知っている。

なんてただのエゴ。
自己満足で、救っている事にはならないか…


彼女には本当に沢山苦しい思いをさせた。

どうか私を許さないで欲しい。

弱い私を、醜い私を、恨んでいい。

それだけの事をした。



私が苦しめたものは数えきれない。

私が葬ったのは何も関係ない一般人も多かった。

私が笑顔にした人なんていないに等しい。

私が泣かせた人は数えきれない。

私が守りたかった人は大勢。

私が守れなかった人も大勢。

私が助けたのは1人だけ。

けど私が救えた人はいない。

皆、私達の前から居なくなってしまった。

皆、私が救う事はできなかった。

最期に助けた彼の心を救う事は、自惚れじゃなければ出来なかった。

どうしてかって?

それは身を呈して彼を助けたから。

私が最後の1人だった。

何度も戻りたいと思った日々の、楽しかった人達。

気付けばもう私と彼だけになっていた。

俺の前から居なくなるな。なんて…

珍しく泣く彼を置いて、私は逝った。


本当は人が人を救うなんて出来ないのかも知れない。



これは私が彼女を呼ぶ前の話。

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作者名:89* | 作成日時:2018年9月24日 17時

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