王様と愛しさ ページ45
適当に画集を取った
色鮮やかな絵を見て新曲の肥やしにしようと思った
そう、思った
思っただけ
カフェとかみたいに食事をする前提で用意されたテーブルじゃないからなのかいつもより距離が近い気がする
久しぶりにAが本を読むところを見た気がする
パチパチと瞳が瞬きをして、文字列を追っていく様は絵になる
というか、本を呼んでいるだけで絵画のような雰囲気がある
画集を見ているふりをしてAを観察する
読むスピードは多分早い、ページをめくる音は一定の速度
時々相槌のような声を発している
Aの右手が無造作に動く
まるで何かを探しているよう
でも視線は文字列を追っている
レオ「A?」
すると諦めたように本を閉じた
『ん?月永くんどうしましたか?』
レオ「え?」
『え?』
レオ「えっと、本読んでたのに右手動いてたからどうしたのかなって」
『あぁ。喉が渇いたのでグラスがどこにあるのか探していたんです、見て探した方が早いのですがちょっと良いところだったので・・・』
レオ「そっか」
横着してしまう理由がAらしい
思わず笑みが零れる
『っも、もう喉は潤ったのでご安心ください!』
いきなりそんなことを早口で言うとまた本の世界に入ってしまった
またもそんなAを愛しいと思いながら、本の隙間からAを盗み見る
―――――
noside
「ねぇ、あの人見て」
「んー?あ、あの人?結構イケメンじゃん」
「誰だっけ?ここまで出かかってるんだけど思い出せない!」
「有名人?なんでこんなブックカフェに居るのよ?そもそも連れの人は彼女?スキャンダルだよ?」
「え、彼女かな〜?」
「どこからどう見たって・・・」
「なんとなく片想いって感じしない?女の見方っていうかさ」
「本の隙間からって凄い可愛い、これ片想いじゃない?」
「本自体にはあまり興味ないんじゃない?本読む場所なのにずっと女の方ばっかり見てるし」
「てか本、画集かな?上下逆なの気づいてなさそうじゃない?」
「これもし仮に女の方と目が合っちゃってあわてて目を逸らしてもばれちゃうやつよね、文字列が逆なんだから読めないって」
「あ、女の方手が動いてる。どうしたんだろ?」
「あ、イケメンが声掛けてる!会話が聞こえない〜!」
「喉乾いてただけみたいね。あ・・・」
「ねぇ今の見た?」
「見た。ときめいてたね」
「これさ、もしかしたら両片ってあるんじゃない?」
「もしかしなくてもそうじゃない?」
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ほたる(プロフ) - リンゴアメ!さん» 返信が遅くなりすみません!璃音ちゃんすごくいい子なんです!!ぜひ是非この後の活躍もご期待下さい! (2021年2月6日 22時) (レス) id: 316294f269 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴアメ! - 離音ちゃん。本当は、ていうか、普通に良い子。 (2020年12月31日 10時) (レス) id: 4fea662fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - たくあんさん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように頑張ります!! (2020年5月25日 0時) (レス) id: c7843103b7 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - すごく面白いです!毎回楽しみにしています!更新頑張ってください! (2020年5月24日 16時) (レス) id: 6dda6e3cbe (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - Mikamiさん» ありがとうございます!!ひっそりじゃなくてばばーんと読んでくださいな(??) (2020年4月17日 16時) (レス) id: 316dd4594c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほたる x他1人 | 作成日時:2020年4月14日 16時