世話を焼きたくなるあの子は陰キャで引き籠りでコミュ症です ６！

王様と惚気 ページ43

少し遅れると連絡が来た
そんなに急いでないからゆっくりで良いぞと返信した

熱い、前髪がじっとりと湿っていくのを感じる
でも待つ時間も悪くないと思っている自分が居る

A、どうして遅れるんだろ
準備が手間取ってるとか？
それって、俺の為に準備してくれてるってことだろ？
それは、すごく、嬉しいんじゃないか？
いかん、考え出しただけでニヤケが・・・

「おにーさん、今暇？」

レオ「ん？」

「暇なら私と話さない？」

レオ「暇じゃないな、待ち合わせしてんの。待ってるだけで楽しいし」

「もしかして彼女さん？」

レオ「んー、どうだろうな。そんな関係になりたいなって所だな」

「あー！片想いだ」

レオ「うるさい」

人睨みすると「そんなところもかっこいい」なんて

レオ「ほんとに何の用？」

「やだなぁ、逆ナンだよ逆ナン。おにーさん経験ないの？かっこいいのに」

レオ「あんまり一人でこういうところ来ないから知らない」

「ねぇ、片想いの相手の何処か好きなの？」

レオ「なんでお前に話さなきゃいけないの」

「えー気になる！」

レオ「当ててみなよ」

面倒くさくなったから思考を放棄した

「そうだなー、可愛い、美人！年上！料理上手！あと、胸がでかい！」

レオ「可愛いし美人、同い年で料理は苦手だな。あと泣き虫で本の虫でコミュ症、引き籠り。まぁ、胸は・・・大きい・・・」

「あ、ムッツリだ。その子のどこに惹かれたの？」

レオ「・・・全部」

「お、欲張りだね」

レオ「欠点に見える料理が苦手な所も、泣き虫な所も、コミュ症なところも引き籠りなところも全部好き。全部ひっくるめてあいつって感じがする。欠点を無くそうと努力している所も、出来なくて泣いちゃうところも、全部全部愛しい」

「・・・」

まだ距離が縮められないのがもどかしくて、簡単に会えない事が寂しくて
想いを伝えられない自分が情けなくて、伝えてしまったらどうなるのか怖くて

レオ「デートって言えなくてうやむやにして誘ったら了承してくれてすんごい嬉しい」

「もう伝えちゃえばいいのに、好きだって」

レオ「出来たらこんなに悩んでない」

「そんなんじゃ誰かに盗られちゃうよ？」

レオ「誰か、か・・・」

考えたくもなかったけど、なんか仲のいい男が居るみたいだし何とも言えない
俺だけを見て欲しい
そんなことを考えることはずるいことかもしれない

レオ「今日だけはあいつは俺だけのものだしそう思っていいと思う！あ、Aー！！」

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