世話を焼きたくなるあの子は陰キャで引き籠りでコミュ症です ６！

引き籠りと溜めこむ言葉 ページ15

一肌脱ぐってどういうことだろう？
そんな私の考えなんて露知らずに薫くんは誰かとお話してる

薫「お願いだってば〜無理じゃないんでしょ？じゃあ説得してよ、瀬名っちそう言うの上手いでしょ？いやいやご謙遜を。って早くして、昼休み終わっちゃうでしょ〜が！」

相手泉くんなんだ
だから薫くんあんなに楽しそうで
じゃあ私いらないよね・・・？

‘電話長くなるみたいなので先戻ってますね’

そう書いて薫くんに見せる

薫「え？えーっとねAちゃんちょっと待って、あと少しで終わるから！」

『でも、折角泉くんとお話してるのに私が待ってたら邪魔じゃないですか？』

薫「そうじゃなくて・・・あーもう！瀬名っち！！こっちはもう変わっちゃうからねっ！！」

そう乱暴に言うと私にスマホを渡してきた

『え？』

薫「Aちゃんが寂しそうにしてたからさ、俺少しでも力になれないかなーって思ったんだけど・・・そう上手くいかないみたいだね。まぁ、運が良ければ話せるかもしれないから」

困ったようにそう言う薫くん

泉「ねぇ！かおくん？？それともA？？聞いてんの！？」

急いで応対するも泉くんはイライラモードならしい

『え！？あ、はい聞いてます！』

泉「Aの方ね。あのさ、れおくんなんだけどインスピレーションが湧いちゃったみたいだからすぐに電話に出れないって・・・」

『あ、はい。そうでしたか』

思ったよりも淡々と会話出来ている
薫くんが一肌脱ぐってこういうことか
やっぱりどこまでも薫くんは優しいんだなと思う

私の為に月永くんと会話できるチャンスをくれるなんて

『泉くんのお手間を取らせてしまい申し訳ありません、月永くんにはよろしくお伝えください。では』

泉「ねぇAちょっと！！！」

泉くんの引き留める声も効かずに薫くんにスマホを返す

薫「これでいいの？」

『うん・・・』

―――――――

寂しいとか会いたいとか、そう言葉にするだけで少し気持ちが楽になる
ずっと溜めこんでいたままではきっと壊れてしまうから

伝えたとしても距離が変わる訳じゃない
虚しさが増すだけ

夏目「ふ〜ン」

『なっちゃん？手止まってるよ？これじゃあ敵にやられちゃう』

夏目「甲斐性無しの騎士様メ・・・」

『え？』

夏目「ほんと、どうしてくれようかナ？Aちゃんを泣かせた罪は重いからネ」

『別に泣いてなんかないよ？』

夏目「そうかもしれないけど、そうじゃないノ」

『へー？』

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