世話を焼きたくなるあの子は陰キャで引き籠りでコミュ症です

引き籠りと運命の日 ページ9

つむぎside

今日はAちゃんにとって運命の日

『す、すぅ〜はぁ〜。すぅ〜はぁ』

つむぎ「大丈夫ですか？」

『うん、なっちゃんに魔法をかけて貰ったし。お札も貰ったの』

そう言って見せてくれたのは可愛らしい木の板

『なんかありがたいお言葉が書いてあるらしいんだけど』

つむぎ「俺にはよくわからないですけど、夏目くんなりの優しさなんですね」

『頑張って行ってくる・・・！』

つむぎ「はい、行ってらっしゃい」

Aちゃんが行くのは教室
今日は委員会決めが行われます
去年に引き続き、というわけにはいきませんからね
五時間目のロングホームルームの時間に決めるので教室にいなくてはいけない

だからAちゃんも必然的に朝から教室にいなくてはならないわけで

引き籠りも少し直しつつ、教室に向かうわけです

夏目「Aちゃン、図書室から出たノ？」

つむぎ「夏目くん！はい、ちゃんと見届けましたよ」

夏目「センパイはのんきだネ、３ーＡにはなかなかの人たちがいるじゃン」

つむぎ「確かに。無事だと良いんですけど」

――――――

『しゅ、しゅ〜くん』

宗「なにかね？まだ五時間目まで時間はあるからね」

『そ、それはわかるんだけど・・・』

宗「それではなにかね？」

『私としゅ〜くん、席が遠い・・・』

宗「仕方がないね。僕は斎宮、Aは倉持。名字順だからね」

『はぁ、なんでだろ』

宗「こればっかりはどうすることもできないからね。休み時間になったら僕の席に来れば良いよ」

『ありがとう、しゅ〜くん』


「おい、あそこの席に座ってんの誰だよ？」

「見たことない顔だな」

「美人じゃね？」

「てもあんまり顔見えないな」

「髪の毛邪魔だな、てか綺麗」

千秋「おはようみんな！」

「守沢か。おい、あいつ誰だか知ってるか？」

千秋「さあな、俺は知らん！」

泉「入り口にいないでよね、ちょ〜うざい！」

千秋「おぉ、瀬名！おはよう！」

泉「はいはい、おはよぉ〜」

千秋「ところで瀬名はあの女の子を知っているか？」

泉「はぁ？知るわけないでしょ。てか、ホントに誰？部外者？」

千秋「いや、座っている場所がいつも空席だったからな。ずっと休んでた子かもしれない」

泉「あっそー、俺には関係ないね」




先生「はいそれじゃー出席をとっていくぞ」

『！？』

先生「斎宮ー」

マド「はい」





先生「倉持ー」

「倉持って言うんだあの子」

先生「倉持ー？」

『え、あぁ、えっと、はは、はぁ』

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