13話 ページ13
デュースと別れたAは、お腹がいっぱいになって寝てしまったグリムを抱えて校庭を歩いている
『あ、あの人は…』
ある通りに差し掛かると、本を片手にベンチの周りをウロウロと歩いている赤髪の男子生徒が目に入った
(入学式でグリム君に首輪をつけていた人だ。…どうしてベンチに座らないんだろう)
赤髪の生徒がふと本から顔を上げ、こちらを向いた
「ん？あぁ、君は入学式の時の…」
赤髪の生徒に気付かれてしまい、Aは少し戸惑いながらお辞儀する
「ボクに何か用かい？」
『いえ。何をしているのか気になって見過ぎてしまったようです。すみませんでした』
Aはもう一度ぺこりと頭を下げた
「そう。」
男子生徒は視線を本に戻す
「歩きながら勉強すると記憶が定着しやすいと聞いたから、試していたんだ」
『へぇ、それは初めて聞きました。今度私も試してみようと思います』
ニコニコと朗らかにそう言ったAに、赤髪の生徒が視線を向けた
「ところで君はこんなところで何をしているんだい？入学はできなかったと聞いているけど」
『あぁ、さっきまで掃除をさせてもらっていたのですが、今は休憩がてらに校内を見て回っていました。
想像以上に学園内が広くて、掃除し終えるには時間が掛かりそうだと感じていたところです』
はは、とAが眉を下げて言うと、赤髪の生徒は「ふぅん」と興味なさげに呟く
「暇なのかい？ならハートの女王の法律書でも読むと良い」
『えっ』
(暇だと思われてしまった…！)
困惑した表情のAに構う様子もなく、赤髪の生徒はどこからか分厚い本を取り出しAに差し出した
『ん？』
グリムをベンチに寝かせて本を受け取り、
“ハートの女王の法律書”と書いてあるその本を
早速パラパラと捲ってみる
“第412条：森で動くメガネを見たら、来た道を戻ってはならない”
『……えっ』
Aはさらにパラパラと法律書を捲り、一生懸命理解しようと読んでみる
“第124条：体がずぶ濡れになったら、海の中で走って体を乾かさなければならない”
(それだと一生乾かないんじゃないのかな…？)
『…』
「…」
Aはパラパラと法律書を捲り続ける
赤髪の生徒は夢中になって法律書とにらめっこしているAを暫く凝視して、問いかけた
「興味があるのかい？」
『はい。凄く気になります。
…ハートの女王が、どうしてこの法律を作ったのか』
「……」
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白猫娘(プロフ) - パンパースさん» お読み頂きありがとうございます！頑張ります！ (11月13日 17時) (
レス) id: 013b7623c9 (このIDを非表示/違反報告)
パンパース - 面白いです！更新頑張ってください！ (11月13日 16時) (レス) id: 57f94a8f60 (このIDを非表示/違反報告)
白猫娘(プロフ) - もこさん» お読みいただきありがとうございます！更新頑張ります！ (9月10日 20時) (レス) id: 013b7623c9 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します！私逆ハー大好物なので嬉しいです！ツイステのキャラ（生徒たちはもちろん、教師、他校、チェカ）全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってください！ (9月10日 19時) (レス) @page4 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白猫娘 | 作成日時：2023年4月26日 21時
