初恋クラムスクール R

真夏×8 ページ8

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『あ、その前に。夏期講習の申込用紙を配るぞ〜』



テキストを机に置いた先生はクリアファイルに
入ってる紙束を取り出す。




大貴｢うわ…もう…せっかくの夏休みなのによぉ〜｣

慧｢ぁははっ。笑 大ちゃんそんなこと言って
大学受かるの？笑｣



大貴は思い切り机に突っ伏して嫌な顔をする。


大貴｢…受かる。｣
涼介｢ん。｣
｢お、さんきゅっ｣




やまから渡されたプリント。
横にスライドしてく形式だから大貴の目の前で
プリントをひらひらさせる。




｢ひらひら〜｣
大貴｢A、夏期講習行くの？｣
｢…行かなきゃお母さんにしばかれる。｣



夏休みくらいゆっくりさせて欲しいのに…。

塾があったら休みじゃないんだよっっ！



大貴｢んー、伊野ちゃん｣
慧｢あ、てんきゅっ｣



腕だけを後ろに伸ばしてだらーんと
伊野ちゃんにプリントを渡した大貴。


ほんとにやる気ないな、こいつ。笑



夏期講習の申込用紙をファイルにしまっている最中。



涼介｢なぁ…A…『よしじゃあ授業始めるぞ〜』
…ﾁｯ｣




確かに聞こえた、やまの声。



｢え、｣




初めて呼ばれた下の名前。


驚きを隠せず、彼を見ても




涼介｢…｣




無表情で問題を解いている。




聞き間違い？だってずっと"こいつ"とか


"お前"とかだったんだよ？



え、なにかの冗談？

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