初恋クラムスクール R

真夏×32 ページ32

・




｢はぁはぁ…っ｣

涼介｢おい、大丈夫？｣



私…運動苦手なんだけど…(泣)


とは言えずなんとか走ってたけど
息切れが半端じゃないことにやまは気づいたのか
ゆっくりと止まった。



｢…えっ…と…大丈夫…あはは｣


涼介｢…っおいっ！｣



やまにこんな所見せたくなくて
1人で先々進もうとすると後ろから少し慌てた口調が
聞こえてきた。




｢ぇ…きゃ…きゃぁぁぁ…！！…ん！？｣



急に目の前に現れた怖い女の人。


普通にお化け屋敷ってこと忘れてた…(泣)




涼介｢…ったく…おい｣




ちょっと不機嫌なやまの声が耳元で聞こえる。




涼介｢…声でかい…鼓膜やぶれっから。笑｣



お前のせいで怖くなくなるわ。って笑いながら
言うやま。



｢…うっ…｣


声出せないって思ったら、やまが私の口を
手で抑えてたんだ…納得…じゃなくてっ！！！





涼介｢…行くぞ？｣



今度はゆっくり私と歩幅を合わせて歩いてくれるやま。


やまだって怖いのに。繋がれた左手微かに震えてんのに。


なに、カッコつけてんだか…笑



｢うん…｣




次々でてくる、怖い仕掛けに驚きながらも


なんとかゴール…







｢はぁ…ごわがった…(泣)｣


涼介｢割と長かった…｣



大貴｢あっ！A〜山田〜！｣

慧｢あっれ〜？なんで手繋いでんのー？笑｣




出口で息を整えてるといのありが美味しそうに

たこ焼きを食べながら近寄ってきた。




涼介｢あっ｣
｢あ、ちがっ…！｣




慌ててやまの手を振り払う。

その時少しだけやまの顔が切なく見えたのは気のせい？




大貴｢違うって何が？笑｣

慧｢Aちゃんから繋いだのー？笑｣



｢いやっ、だからっ…！｣


涼介｢…説明すんのめんどくせぇ…｣




私1人で、なんとか2人の誤解をとこうとしても

2人が認めてくれるわけもなく

ずっとニヤニヤして私を逃さない。



やまは、面倒くさそうに髪の毛をクシャクシャに
して知らないふり。



慧｢もう認めちゃってよ〜｣

大貴｢山田のこと好きなんでしょ？｣


｢…｣





…今までの私と違って即答で否定することが出来なかった…

真夏×33→←真夏×31

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す