【名探偵コナン】愛錠第4錠【安室透/降谷零】 (ページ41)

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第176錠-出会いの傷①- ページ41

A『…ふぅ』

考えておきます、何であんなこと言ったんだろう

でもそう言った時の赤井さん、沖矢さんの顔は優しかった

赤井さんもどれだけ悲しみを抱えているんだろう

赤井さんは、自分のせいで大切な人を死なせてしまったと言っていた

その言葉の重みは赤井さんにしか分からないことなのかもしれない

でも大切な人を失くすつらさは私にも分かる

昔よりかは平気だったけど、アメリカに行った頃はひどいものだった

『お前はいつも泣きそうな顔をしているな』

不意に思い出した言葉

それはお兄ちゃんに言われたことではなく、アメリカにいた時に言われたこと

A『(どんな人だったっけ…？たしか…)』

真っ黒のロングコート、黒く長い髪をなびかせていた男の人で、何処か赤井さんに似ている

A『(でもどうして、赤井さんと似ているなんて思ったんだろう…)』

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〈3年前・アメリカ〉

〜♪

(パチパチパチ──)

A『…』

大学を辞めて成り行きでアメリカへ来た

数日はストリートで弾き語りをしてホテル代を稼いでいたけど、お客さんの中に日本人から

『うちのお店に是非住み込みして欲しい』と言われ

弾き語りとレストランのバイトをさせて貰えることになった

そのレストランには大きなグランドピアノもあって

小さい頃から行っていた北村さんの楽器屋さんを思い出す

ﾏｽﾀｰ『Aちゃん大分店に馴染めて来たんじゃない？』

夜の営業に向けて準備していると、マスターに話しかけられた

A『そうですか？ありがとうございます』

ﾏｽﾀｰ『まあ1人でアメリカに来てあぁやって路上ライブやるなんて、勇気あるよ』

A『まあ無鉄砲なところは兄譲りなんですが、何か危なかったりしますか？』

ﾏｽﾀｰ『ﾊﾊﾊｯ当たり前だよ、アメリカではそこら中で事件事故が多いし

最近じゃあ通り魔も出てるから、夜の営業はいまいちだしね』

コーヒーを飲みながらそう言う

マスターが言う通り魔は、長髪を銀色に染めた髭面の男で何でも日本人らしい

ﾏｽﾀｰ『…ん？あちゃーコーヒー足りないか』

A『私買いに行きますよ』

ﾏｽﾀｰ『いや俺が行くよ、今話した通り魔の件もあるし』

A『大丈夫ですよ、それにマスター仕込みありますよね？

いつものお店ならすぐ近くですし』

ﾏｽﾀｰ『んー…じゃあお願いしていい？』

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