第169錠-沖矢side ページ34
A『ん〜久しぶりのお酒ってこんなに美味しいんですね!』
彼女と晩酌を始めて数時間
日付はとっくに周り夜も更けているというのに、彼女のテンションに驚く
あまり度数が強くないのを飲ませていたが
昴『Aさんあまりお酒強くないですよね?』
A『どうでしょ〜でも普段からそんな飲みませんよぉ
仕事にも影響しちゃうので』
笑顔でそう言い再びお酒を飲むAさん
これ以上飲ませるのはと思い、Aさんからグラスを奪った
A『あ!ちょっと!』
昴『これ以上は体に障りますよ』
A『えぇぇ…あ!じゃあ沖矢さんのお酒と交換しましょ!』
昴『…何を言い出すのかと思えば、それにこっちの方が強いんで』
A『ちょっとだけ!ねぇお願い!』
駄々をこねた彼女に、私は自分のグラスを渡した
いつも敬語で話しているのに
お酒がまわっているからか敬語は抜けていて
いつも大人びてる彼女は、今は小さい少女の様に見える
A『…んっ甘い、これ何のお酒?』
昴『バーボンウイスキーですよ、それは甘めのあるバーボンなので…っ?』
A『バーボン…』
そう言うと彼女はソファに横になった
様子が変わったと思い私はグラスを置き、彼女の側に腰をおろした
昴『どうかされたんですか?』
A『ちょっと、思い出しちゃって…彼のこと』
彼、とはきっと安室くんのことだろう
その顔はとても切なく、悲しそうに見えた
あまり刺激させないように、私も慎重に聞いていく
昴『彼とは?』
A『その人は優しくてかっこよくて、誰よりも正義感があって
きっと私の大好きな人なんだって、そう思ってました』
昴『…』
A『けど、あの人とは違う、もうそう思うしかないって思ったんです』
昴『同じ人かもしれないのに?』
A『かもしれないっていうか、きっとそのはず
あの人はきっと
昴『っ!…』
その名前には覚えがあった
やはりあの坊やの推理通り、どうやら彼女たちは繋がりがあるようだ
A『はぁぁせっかく忘れかけてたのに、沖矢さんのせいですよぉ』
昴『フッ、それは申し訳ございません』
A『あぁぁあぁ…なんで私の大好きな人たちって私の前からいなくなるのかなぁ…』
彼女は寝返りし、そのまま目を閉じてしまう
昴『ダメですよ、こんな所で寝ては』
A『ん〜…』
昴『はぁ、やれやれ』
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作者名:リイナ | 作成日時:2021年11月2日 12時