第128錠 ページ38
A『…っどぅ、して…同じことを』
安室『え?』
A『もぅこれ以上…重ね、合わせないでください…
もう考えたくないです…っ』
安室『…いいですよ、重ね合わせても』
A『っ!』
その言葉に私は、また涙が溢れそうになる
安室さんの腕から逃げ出したいと思い
振り切ろうとするけど、安室さんも力を込めて更に抱きしめられた
A『離してっ、ください…』
安室『…嫌です』
A『っなん…で…っ』
安室『…』
A『これ以上、考えたくないです…
安室さんは誰で、っ本当の安室さんはどれなのか…っ
疑いたくっ、ないんです…っ』
涙がどんどん溢れてきて、私は目をおさえた
おさえても涙は一向に止まらない
すると安室さんは、片方の手を私の頭にまわしてくれて優しく撫でてくれた
夢と同じ、あの時のお兄ちゃんと同じだ
でもここにいるのは安室さん
また重ね合わせてしまってる
考えるのが嫌になり、私は声を殺して泣き続けた
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〈安室side〉
しばらく泣き続けるAさん
まるで小さい子どものように泣き続けていた
安室『…Aさん?』
静かだと思い顔を見ると、落ち着いたのかいつの間にか眠っていた
安室『っはぁ全く…』
彼女を静かにベットに寝かせ、部屋を出た
"『もぅこれ以上…重ね、合わせないでください…』"
"『安室さんは誰で、っ本当の安室さんはどれなのか…っ』"
"『疑いたくっ、ないんです…』"
安室『はぁ…』
彼女の言葉に、また痛感された
疑いたくない、か
そう思わせてる自分にも腹立たしいが、こちら側に彼女を巻き込むわけにはいかない
まだその時ではない
とにかく今は彼女の具合が良くなるのを優先させよう
様子を見にまた部屋に入ると、彼女は静かに眠っていた
起こさないよう優しく髪に触れる
A『…ぉ兄ちゃ…っ』
安室『(っ!重ね合わせる、か…)』
"『…いいですよ、重ね合わせても』"
自分が言った言葉なのに、何故か虚しく感じてしまった
それは安室透が言った言葉だから、本当の自分の言葉じゃないから
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リイナ(プロフ) - 睦月 蓮さん» コメントありがとうございます!LiSA大好きでライブも行きます笑! (2021年11月2日 11時) (レス) id: 6035cdbe01 (このIDを非表示/違反報告)
睦月 蓮(プロフ) - 初めまして!いつもどうなるんだろうってドキドキしながら読んでます。LiSAさん好きなんですね!私も大好きです! (2021年10月16日 12時) (レス) id: 170d46157d (このIDを非表示/違反報告)
リイナ(プロフ) - みぞれさん» コメントありがとうございます!あたたかいお言葉嬉しいです(´-_-。`)これからも頑張らせていただきます! (2021年10月5日 20時) (レス) id: 6035cdbe01 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ(プロフ) - とても面白くてついつい一気に読んじゃいました!更新頑張ってください!これから楽しみにさせて頂きます! (2021年9月27日 20時) (レス) @page6 id: 976162990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リイナ | 作成日時:2021年9月26日 15時