11 一筋の疑念 -コナンside- ページ12
「火神君と藍田さん、ちょっと待って!」
火神君と藍田が1on1を始めようとしているところ、俺は2人を呼び止め、すぐ近くにいた灰原に小声で話しかけた。
2人が怪訝な表情をしたが、それは無視。
「灰原…ちょっといいか?」
「何?江戸川君」
「実は藍田怜也っていう男について調べてほしいんだ」
「別にいいけど、どうして?」
「いや…なんとなく引っかかるんだよな…」
「引っかかる⁉まさかあいつが組織の仲間だって言うんじゃないでしょうね⁉」
先ほどの怪訝な表情とは一変、灰原の顔が一気に青ざめていく。
目の色を変えて詰め寄る灰原に、俺はいや、と首を横に振った。
「安心しろ。俺が思うには、あいつが組織の人間である可能性はゼロ。ただ、あいつがただ見学に来ただけでないことだけは確かだ」
そう、藍田が突然練習に乗り込んできたときから俺はなんだか嫌な予感がしていた。
虚ろで何も映していない氷のように冷えきった瞳と自分以外の人間を卑下するような冷徹な笑みは、敗れたことなど一度もないとでもいうようなオーラさえ感じられる。
あいつが組織の人間でないことはわかっていても、それらは俺の身体を小さくした張本人、黒の組織のジンを連想させた。
「見学で来ただけじゃないとしたらどうして…」
「バーロー、それがわからねーからお前に頼んでんだよ」
言い終えた後で、俺はようやくヤバイ、と危機感を覚える。
危険を顧みず、後先をよく考えずに行動するという事件に居合わせたときの悪い癖(事件を解決に導くには攻める姿勢も確かに重要なため、一概に悪いとは言えないが)が出てしまったようだ。しかし時すでに遅し。
案の定、俺の言葉が癪に触ったのか、灰原はあのねぇ…と半ば怒り口調を交えて呆れ気味に溜息をつき、
「あなたは事件のときに私とか博士が入手した情報で動いてるだけだからあんまりわかってないでしょうけど、ちょっとは調べるこっちの身にもなってちょうだいよ」
「全く、人使いが荒いんだから…」と最後に添えた後、灰原は再び溜息をつく。
本来なら「動くこっちだって大変なんだよ」と反論したいところだが、思い返せば俺が無茶な行動を度々とるせいで、灰原に何度も迷惑をかけたため、苦笑しながら悪い…と謝った。
「で、藍田の何を調べたらいいの? 年齢? 経歴?」
「ああ、あいつの言ってることが本当なら、アメリカにいた頃にチームに所属してたことも考えられる。だから、どこのチームにいたかとか彼の経歴を頼む」
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チャングム(プロフ) - 。゚+.HIKARI.+゚。さん» HIKARIさん〜!!よかったです生きてて…泣 ついに公開させていただきました笑笑 もしよかったらまたボードでもたくさんお話ししましょうね!そして応援コメントありがとうございます! (2018年5月9日 14時) (レス) id: 116cb13da5 (このIDを非表示/違反報告)
。゚+.HIKARI.+゚。(プロフ) - チャングムお久しぶりです!!なかなか出没出来ず申し訳ないです…(;-;)新作早速お気に入り登録して愛読させてもらってます!応援してます!更新頑張ってください! (2018年5月9日 2時) (レス) id: 5850511b37 (このIDを非表示/違反報告)
チャングム(プロフ) - ゆっくりノワールさん» 初コメありがとう!今年の新作映画で改めて思ったけど、コナンはいつ見ても面白いからぜひ見てみて!こっちの作品も絶対完結させます! (2018年5月5日 8時) (レス) id: 116cb13da5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりノワール(プロフ) - 来たぞおお!!コナンよくわかんないけどやっぱ面白いよ!頑張って!! (2018年5月5日 1時) (レス) id: 6f03c68297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チャングム | 作成日時:2018年5月4日 22時