志摩のライバルはおまわりワンワン 2 ページ20
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―志摩 side
カサカサと葉っぱを踏む音と息遣いが聞こえた時
何となく、アイツな気がしてた
振り返ると、予想通りの懐かしい姿
違ったのは髪が随分伸びていた事だけ
最後に会ったのはもう7年も前か
――――――
―――――――――――
――――――――――――――・・・
『カズちゃん!』
志「おぉ、A!こんなとこで何やってんだ」
『こっちで訓練指導があったから、カズちゃん居るかなって寄ってみたの』
志「久しぶりみたいに言ってるけど、先週会ったばっかりだろ?」
『フフッ、確かにそだね!また飲みに行こうね』
Aとは警察学校の同期で、明るく人懐っこい性格の小動物みたいなコイツから当時から目が離せなかった
危なっかしいという意味と、
他の男に言い寄られて欲しくないという意味で。
卒業してお互い別々の交番に配属されたが、
その後Aはずっと希望していた警察犬係に配属になりハンドラーとして毎日楽しそうに仕事をしていて
忙しいながらも時間を作って飲みに行った時の嬉しそうに話すアイツの顔に俺まで頬が緩んで、何度か一緒に出掛けたりもした
当時Aは、俺を親友と呼んでいたけど
俺は男女の友情なんて成立しないと思っている
俺はコイツの事が好きだったから
でもAは俺の事を男としては見ていなくて、アイツの頭は犬の事ばかり
ある時俺は酒に酔った勢いで聞いた
「お前さぁ、俺と犬どっちが好きなんだよ」
今思い返してもくっだらない質問だけど、当時の俺には精一杯の聞き方だった
だけどアイツは悪びれた様子もなく
『え、そんなん犬に決まってんじゃん。』
と答えて笑った
分かってんだよ
アイツにとって警察犬は大事なバディで、大切な存在だって
だけど、俺はそんな大事な存在にも勝ってるんじゃないかって自惚れてたんだろうな
まぁ、ボロ負けだった訳だが
何かそれ以来アイツの犬の話も全然聞く気になれなくて
いつしか飲みに誘わなくなって、アイツからの誘いも断るようになった
そのせいかアイツは、俺が本当は犬が苦手だったんだと思い込んでる
犬に負けて悔しくて疎遠になるなんて恰好悪すぎて誰にも言えないけど
当時の俺はそんな事関係ないくらいにへこんだ
本気で好きだったから
ずっと好きだった
今でもまだ。
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ちゅん(プロフ) - コウノドリ!!!コウノドリ好きなのでお話入ってて嬉しかったです!これからも応援してます!頑張って下さい!! (2020年12月26日 17時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
con(プロフ) - 由羽さん» ありがとうございます♪楽しんで頂けて嬉しいです( *´艸`) (2020年10月21日 16時) (レス) id: 984b2836e2 (このIDを非表示/違反報告)
由羽 - とても面白かったです!!最高でした☆いつも楽しませてもらってます(*^^*) (2020年10月20日 21時) (レス) id: 7535220b5c (このIDを非表示/違反報告)
con(プロフ) - puppy0408さん» 犬404を飼いたすぎて作っちゃいました!!(笑)少しでも笑ってもらえると嬉しいです♪ (2020年10月19日 15時) (レス) id: 984b2836e2 (このIDを非表示/違反報告)
puppy0408(プロフ) - い、いぬーーー!志摩さんと伊吹が犬になる話が読めるのはココだけ!!!最高です!!!笑 (2020年10月18日 23時) (レス) id: 6a087230a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狐 | 作成日時:2020年9月17日 21時