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車はお店の前に停まっていた。先に出ていったセフンは運転手さんと仲良さそうに喋っていて、微笑ましく懐かしい。前はよく見た光景だった。運転手さんも久しぶりに会えて嬉しそう。
「で、どうなりました？」
後ろからジョンインがこそこそと耳打ちをしてきた。振り向くと予想以上に近い距離でニヤニヤしている。
「………まずね、ジョンイン」
「はい？」
「本当にありがとう」
私たちのことを思ってくれて、規則違反しながらも全力で協力してくれて、応援してくれて。……ちょっと包み隠さず言い過ぎって説教しなきゃって思うところもあるけど。
ずっと一緒にいて、私とともに生きてくれた親友とも言うべきジョンインの顔を見てたら感極まって泣きそうになった。そんな私を優しい笑顔で見つめていたジョンインは私にハンカチを差し出してくれる。
「ね？言ったでしょう」
「……ん？」
「会いたいと強く願っていたらまた会える日が必ず来るって」
にこっと、誇らしげにも見える笑顔を浮かべたジョンインから、遠慮なくハンカチを受け取る。
「楽しかったですか？久しぶりの再会は」
「……すっごくびっくりしたけど楽しすぎた」
「それはよかった」
「お兄ちゃん今家にいる？」
「先ほど海外へお仕事に」
「えっ？先ほど？」
「はい、急用で。しばらくお戻りになりません」
そう言いながら笑顔のジョンインに、なるほどねと腑に落ちた。私の兄は、妹と部下のためにこんな機会を作ってくれておきながら直接礼も言わせてくれないらしい。
「ということで、代表から伝言を預かっております」
「え、なに？」
「『遅くなってごめん』と『幸せにね』とのことです」
聞いた途端、優しく微笑むお兄ちゃんが思い浮かんだ。
ぽろりと落ちるだけだった涙が止めどなく溢れ始める。ジョンインはそんな私を見ながら話を続ける。
「それともうひとつ。代表は最初からお嬢様とセフンを引き合わせるおつもりでしたが、会長はミンソクさんと引き合わせたいと譲らず、最後までぶつかっていました。ご存じなかったでしょう？」
「でもあいつが必死に働く姿や愛娘を強く想う一途な気持ちに、会長もついに負けたようです」
「最終的に、お嬢様の元にセフンを向かわせたのは会長です」
「まあ、ミンソクさんが見合いをご辞退されたということも後押ししたようですが」
思いもしなかった事実にハンカチに埋めていた顔を上げるとジョンインの目が潤んでいることに気付いた。
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こむ(プロフ) - 〇〇さん» まさかコメントを頂けるとは思っておらず、大変遅くなってしまいましたがこちらこそ本当にありがとうございます。こうやって感想頂けることで忘れかけていた執筆時の思い出が蘇ってより一層自分にとって大切な作品になりました。本当に嬉しいです！ありがとうございます (3月8日 19時) (
レス) id: 65eaa14bbb (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - 作者の方に心の底から感謝を伝えたいです。長編になると話の筋がよれてしまったり途中で終わってしまったりしますが、無駄な話も無くしっかり伏線回収して感情移入しやすい描写を多く入れてくれて、、、プロの小説家さんだ、号泣しました。本当にありがとうございました (10月30日 0時) (レス) @page47 id: dc7d3a4bc1 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございますー！お返事遅くなってしまい申し訳ありませんTT一気読みお疲れ様でした！そしてめちゃくちゃ嬉しいお言葉を本当にありがとうございます。大変恐縮です；；私もこれを漫画で見たい気持ちでいっぱいです(≧∇≦)いつか縁がありますように…笑 (2020年3月30日 15時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - EXO_Unicorn1228さん» はじめまして！コメント頂いていたのにお返事遅くなってしまってすみません；；泣いてもらえるとは…！笑 11章という長さになってしまうほど描写に拘ってきて良かったなぁと思いました；；最後までお読み下さり本当にありがとうございました(*^^*)！ (2020年3月30日 15時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - 淡藤さん» 淡藤さま！お返事がとんでもなく遅くなってすみません；；何度も読み返してくださり本当にありがとうございます！ツンで甘いせふん、私の中でもかなりお気に入りのキャラですのでそう言っていただけて超嬉しいです(*^^*)またお見せできたらいいなぁ… (2020年3月30日 15時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2019年10月9日 22時
