第八百五十五訓 ページ49
あれから数分、数十分、数時間。どれくらい経ったかは分からない。
取り敢えず時間の感覚が朧気になるくらい長く、長く、戦った。斬って斬って斬って斬って。裂いて裂いて裂いて裂いて。
『っ、はぁ……っは、はァ……』
他に私に共闘してくれる皆にも、トシ達の方へと増援が行かない様に丘の入口の方へ行く様に指示してしまった。
つまり奥…より敵の多い場所で戦っているのは私一人。周りを見渡しても仲間が居ないのがその証拠。
(数が多い…少し入口の方の人員を頂くべきだったか……いや駄目だ。あそこは重要な防波堤だ)
剣を振りすぎて腕が悲鳴をあげている。指一本一本が痺れて呼吸もしづらい。
だが周りにはまだ敵がいる。周りに仲間が居ないなら背中だってずっと警戒してなきゃ駄目だ。
『……っ邪魔だ退けェ!!!』
剣を握る手にぎゅっと更に力を込めて一斉に斬りかかってきた奴らの攻撃を姿勢を低くして躱し、ザザザ!と滑り込んで足元から一突き。
そのままの勢いで周りの雑魚共も横一文字に斬り伏せて背中側の敵の攻撃前を向いたままガキィン!!と防ぎ足を引っ掛けて倒れた所、剣を突き刺す。
______だがそこで。
『っふ……、』
流石に疲れて気が緩んでしまい、剣を握る手から力が抜けた。
.
「___覚悟!!!!」
『っ!』
と思えば、その隙を待っていたのか後ろから律儀に掛け声をかけながらこちらに剣を振りかざしてくる敵。見廻組だ。目の前に迫る白刃と白い制服が見える。
(っあ_____、)
いや待て不味いコレ速度的に間に合わな____________
.
________ザシュッ、
.
『っえ、』
迫り来る白刃を見ている事しか出来なかった私と、それに刀を振りかざす見廻組。
てっきり殺られる、かと思っていたら___殺られたのは私ではなく、見廻組の隊士の方だった。額に剣が刺さっている。
『っへ……』
(___え、待てなんで…私はやってない、誰かが剣を飛ばした。仲間、なわけも無い入口で戦ってるし)
じゃあ一体誰が、と辺りを見回した私の目に映ったのは…黒い烏の翼の様な布と、
_____『ぁ…せん、せ?』
いつの日か見た様な、美しい亜麻色の髪だった。
ー
1794人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じま。(プロフ) - えええオープンチャット!?入りたい…😭もう遅いかな…、申請送っておきます😭🙏 (3月19日 19時) (レス) @page50 id: 612ca8c02a (このIDを非表示/違反報告)
きょきょ - 夢主なんか嫌いなんすけど。弱くて弱くてもう面白くないですねw (9月25日 20時) (レス) @page24 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
リンリンゴ(プロフ) - 我等のトスィがイケメンすぎて無事に爆死いたしましたよ???覚悟してたけど思った以上にきたわ貴方の文才に感謝感激雨あられ。推しの生きろって名言よね(?)いや、虚、、、見事に想像の斜め上70℃をいったよ。守って登場するとかダークヒーローか貴様は。まじ愛す好き (2022年8月9日 2時) (レス) id: ff84f7ea91 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - リンリンゴさん» 遺して行かんでよろしいwwwwwwww面白いけどwwww今日も無事にって毎日死んでんじゃんそれwありがとうございます(?)wwトッシー楽しみにしててねん!!! (2022年8月9日 1時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
リンリンゴ(プロフ) - 書ける時はここに遺書を遺していこうと思い現在書き留めております。今日も無事に昇天いたしましたことをここにご報告させて頂きます。とーしって何ですか?貴方って人はほんとにかわいいですね??アンタ呼びもツンツン要素多めで愛しいです。次の更新トシ主役だぁぁぁ (2022年8月8日 2時) (レス) @page47 id: ff84f7ea91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:実珠 | 作成日時:2022年7月5日 20時