第八百二十六訓 ページ20
あれから結構な威力で往復ビンタされて。
口の中が鉄臭くて不味いのでべぇっと舌を出した。痛いし口の中切れてて地味に嫌だな。口内炎とか嫌いだし。
(てか意識朦朧としてきたんだけどウケる……ちょいと血を流しすぎたかな)
『っは……暗君殿は随分と短気で困るね』
喜々「っはは、貴様とてあまり変わらぬではないか。茂茂公が気に召していた女と…あの男らしい」
『あ?』
喜々「あの男に似合って随分と薄汚い女だ!茂茂公は女の趣味も悪いようだな」
『……。』
否定はしない。私のことを好きになるだなんて物好きにも程がある。女らしくもない、お洒落もしていない、お淑やかでもない、可愛げもない。
男を立たせる様な存在である女。それとは真逆の生き物だから。だから、否定はしないんだ。
けど……こんな私に恋情を抱いてくれた将ちゃんを、色んな人たちを馬鹿にするような発言は許せない。
(一橋喜々……コイツをきっと私は、軽蔑しているんだろう)
『______黙れよ醜男』
だからこんなにも、普段の私からは考えられない程にシンプルな罵詈雑言が口から溢れでるんだろうな。
視界の隅では女の子が震えていて、銀時くん達が今にも飛び出してきそうな面持ちでその場に留まっている。
それに少し気分が良くなってそちらの方に目線をよこしていれば、目の前にふっと影がさした。喜々の腕だ。
(また叩かれるか、それとも斬られるか)
斬られるのは少々まずいな……これ以上血を流したら私でも死んじゃう。急所や太い血管からずらしたとはいえずっとこれはキツイ。
だが予感とは嫌な時ほどあたるもの。喜々の手には金の装飾が散りばめられた剣が握られていた。
嗚呼……斬られ______
.
「もう、もう辞めて!!!!!」
『!』
斬られると思ったその時、誰かが私の目の前に立ち塞がった。喜々と私の間に。
朧げな視界で見つめれば、それは見覚えのある桜の着物。
『_____妙、ちゃ……』
妙「Aちゃんごめんなさい、私動けなくて……すぐに医者に見せましょう」
『なんで……近づいて、欲しくなかった…巻き込みたくなかったのに…』
妙「っそんなの決まってる……大事な、私の大事な大事な、お友達だもの……!」
『!』
一瞬だけ見えた妙ちゃんの顔は、怒りに染まっていた。
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じま。(プロフ) - えええオープンチャット!?入りたい…😭もう遅いかな…、申請送っておきます😭🙏 (3月19日 19時) (レス) @page50 id: 612ca8c02a (このIDを非表示/違反報告)
きょきょ - 夢主なんか嫌いなんすけど。弱くて弱くてもう面白くないですねw (9月25日 20時) (レス) @page24 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
リンリンゴ(プロフ) - 我等のトスィがイケメンすぎて無事に爆死いたしましたよ???覚悟してたけど思った以上にきたわ貴方の文才に感謝感激雨あられ。推しの生きろって名言よね(?)いや、虚、、、見事に想像の斜め上70℃をいったよ。守って登場するとかダークヒーローか貴様は。まじ愛す好き (2022年8月9日 2時) (レス) id: ff84f7ea91 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - リンリンゴさん» 遺して行かんでよろしいwwwwwwww面白いけどwwww今日も無事にって毎日死んでんじゃんそれwありがとうございます(?)wwトッシー楽しみにしててねん!!! (2022年8月9日 1時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
リンリンゴ(プロフ) - 書ける時はここに遺書を遺していこうと思い現在書き留めております。今日も無事に昇天いたしましたことをここにご報告させて頂きます。とーしって何ですか?貴方って人はほんとにかわいいですね??アンタ呼びもツンツン要素多めで愛しいです。次の更新トシ主役だぁぁぁ (2022年8月8日 2時) (レス) @page47 id: ff84f7ea91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年7月5日 20時