第八百二十三訓 ページ17
絞り出したその声は、小さかったが静かになった周りにはよく響いたらしい。
喜々「…………は、はははは。そうか、私の酒が飲めぬと、汚いと申すか」
ヘイトが完全にこちらに向いているな……まあ、当たり前か。この存在は短気で自分が馬鹿にされるのが気に食わないのだから。
『____嗚呼……嗚呼、その通りだよ』
だが、好都合だ。トシと銀時君に矛先は向けさせない。真選組は守れなくても、仲間は守る。私が守る。
______もし組織がなくなっても、仲間が大切なのは変わらないのだから。
『技量が狭い暗君のアンタがついだ酒なんて一滴たりとも汚くて飲めやしない!私が飲むのはこの江戸を愛した真の名君…私の主君がついだ、酒だけだ!』
そう、アンタが奪った……優しい優しい将軍のな。
喜々「は、はは、は……そう、そうか。貴様、確か名は……暁Aと申したな」
『……だから何』
汚い存在に名前を呼ばれている。それだけで気持ちが悪くて吐きそうになるし鳥肌もすごい。これ程人を嫌うのはいつぶりだろうか。
腸から溢れて全身を煮えくり返らせる不快感。拒絶反応。それが全面に溢れ出て、仕方ない。
________ガシャァン、!!!!
「っひぃ、!」
「きゃぁぁぁっ、!!」
『!』
すると、それが気に入らなかったのか……自身の手に持っていた酒の入った杯を勢いよく机に叩きつけた。
客ということで喜々についていたキャバ嬢のお嬢さん2人が思わず悲鳴をあげる。硝子が飛び散ったし当たり前か。
……喜々は、自分が頼んで出てきた料理も皿も酒も全て無駄にしたのだ。自分で床に飛び散らせた。お坊ちゃんは食材の大切さも分からないのだろう。
(将ちゃんとは、大違いだ。まあこいつは将ちゃんと比べられることを何よりも嫌っているようだが)
喜々「ふむ……飲めないのも無理はない。この様な下品な液体、酒とは言わぬ」
「っも、もも、申し訳ありません!!茂茂公にも気に入って頂けた一品だったのですがっ」
喜々「…………そうか…」
______嗚呼、
喜々「済まぬが片付けて貰えるか」
「すっ、すぐにっ、」
喜々「そうではない」
「っ、え?」
やはり、やはりだ。やはりお前は____
.
「そなた達をだ」
_____将ちゃんとは、大違いだ。
ー
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じま。(プロフ) - えええオープンチャット!?入りたい…😭もう遅いかな…、申請送っておきます😭🙏 (3月19日 19時) (レス) @page50 id: 612ca8c02a (このIDを非表示/違反報告)
きょきょ - 夢主なんか嫌いなんすけど。弱くて弱くてもう面白くないですねw (9月25日 20時) (レス) @page24 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
リンリンゴ(プロフ) - 我等のトスィがイケメンすぎて無事に爆死いたしましたよ???覚悟してたけど思った以上にきたわ貴方の文才に感謝感激雨あられ。推しの生きろって名言よね(?)いや、虚、、、見事に想像の斜め上70℃をいったよ。守って登場するとかダークヒーローか貴様は。まじ愛す好き (2022年8月9日 2時) (レス) id: ff84f7ea91 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - リンリンゴさん» 遺して行かんでよろしいwwwwwwww面白いけどwwww今日も無事にって毎日死んでんじゃんそれwありがとうございます(?)wwトッシー楽しみにしててねん!!! (2022年8月9日 1時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
リンリンゴ(プロフ) - 書ける時はここに遺書を遺していこうと思い現在書き留めております。今日も無事に昇天いたしましたことをここにご報告させて頂きます。とーしって何ですか?貴方って人はほんとにかわいいですね??アンタ呼びもツンツン要素多めで愛しいです。次の更新トシ主役だぁぁぁ (2022年8月8日 2時) (レス) @page47 id: ff84f7ea91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年7月5日 20時