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25(ゆうまside) ページ25

俺が彼女を知ったのは中学2年の秋頃


『悠馬、ごめん!これ返しといてくれない?』と友達に本を渡されて図書室に行った時



本を図書委員に返して、久々の図書室を歩いて見ていた


人はあまりおらず、懐かしい本を手に取って見たりした




ふと、窓際の机を見ると伏せて寝ている人…



太陽の日が差して、眩しそうだった



そっとその人に近づいて、その人の顔に影を作った


でも、それが意味ないくらい、髪が長くて顔が全部隠れていた



そっと髪に触れたのは好奇心で、

髪を避けて、顔を見た


幼い顔だったけど、普通に可愛いなと思った



机の上にはメガネが置いてあって、


あぁ、普段は眼鏡をかけてるんだ、コンタクトにすればいいのに…


なんて、勝手に思ったり…



机の上のプリントには、彼女の名前が書いてあった


藤吉Aさん



それ以降、廊下で見かけた時は眼鏡をかけて、長い髪で顔はあまり見えなかった



中学2年生の冬、やまとがラブレターをもらったと騒がれてた

それは藤吉さんからって聞いて、


へぇ、やまとのことが好きなんだ、


と、ただそう思っただけ


告白するのは自由だし、釣り合う・釣り合わないは周りが決めるようなことじゃないと思ったから


けど、部活の時にやまとに見せられたラブレターに書かれた字は、


あの時に見た藤吉さんの字とは違うもので、


もしかしたらこれは彼女が書いたものではないのかもしれないと思った



けど、言う勇気はなかったし、

言ったところでどうにもならないほど、周りが騒いでた


俺は、何も出来なかった


彼女は学校に来なくなって、それ以降どうやって生きているのか、何も知らなかった



数年後、

俺たちはコムドットとして人気が出て、200万人を突破した


いつもお世話になってるカキモトに行った日、

新しく入ったと篠原さんを紹介されて、すぐに分かった



髪もちゃんと整えてて、メイクもしてるけど、

あの時と変わらず、少し幼い顔で、可愛い顔



良かったと、純粋に思った

もしかしたら、中学の時の嫌な思いを抱えたまま、人生を投げ出していたかもしれない

生きていて良かった、と心から思った



彼女は中学の時のことを思い出したくないかもしれない、

俺のことも、もしかしたら知らないかもしれない、

だから何も言わなかった

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明希(プロフ) - そらくん。さん» 自己満足の小説にそんなこと言っていただけるなんて……ありがとうございます! (2023年4月6日 22時) (レス) id: bd6acc50a6 (このIDを非表示/違反報告)
そらくん。 - えっと、主さんの作品全部大好きです!泣けちゃいます(涙)これからも頑張ってください! (2023年4月6日 16時) (レス) id: 3e0971e2b6 (このIDを非表示/違反報告)
明希(プロフ) - 。さん» ありがとうございます!自分で書いてて、この話のゆうまくんは私も大好きです (2022年9月4日 23時) (レス) id: bd6acc50a6 (このIDを非表示/違反報告)
- やばいめっちゃ泣いた…あっちゃんすきぃ、、、ゆまがイケメンすぎてつらい、、、、 (2022年9月4日 22時) (レス) @page37 id: 5310fc155c (このIDを非表示/違反報告)
明希(プロフ) - yuunaaaaa1204さん» 自分で書いてて『ゆうまくん良い人だなぁ…』って思ってましたww (2022年6月8日 19時) (レス) id: bd6acc50a6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明希 | 作成日時:2021年11月30日 17時

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