短編集.com3 (ページ7)

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あれからゆうた先輩がちょくちょく手伝ってくれて、なんとかマネージャーの仕事を続けている

ゆうま「しっぽちゃーん」

ゆうま先輩は相変わらず私のことを『しっぽちゃん』と呼び、

廊下で会った時もそう呼ぶから、同級生からは不思議な目で見られてる

ゆうま「しっぽちゃん」

「はい？」

ゆうま「ボール出しお願いしても良い？」

「ぁ、はい」

ボールを手に取ると、そのボールが奪われた

香織「私がやる」

「ぁ…はい」

ゆうま「…」

香織「もぉ、後輩を簡単に使わないでよ」

そう笑って言う香織先輩にゆうま先輩は『ごめん』と苦笑いをした

試合の準備をしようと倉庫の方に行こうとすると『A』と呼ばれて、足を止めた

「…？」

ゆうた「ボール出し、してくんね？」

「ぁ…はい」

ボールを手に取ると、再びそのボールが奪われた

友梨奈「それ、私がやるから」

「ぁ…はい…」

友梨奈先輩、ゆうた先輩が好きなんだ…

ゆうた「…」

ゆうた先輩は『はぁ…』と息を吐くと、私の方を見た

ゆうた「やまとにボール出ししてやって？」

「ぁ…はい」

加奈子先輩はひゅうが先輩にボール出ししてるし…

やまと先輩の元へと走って向かった

「やまと先輩」

やまと「ん？」

「ボール出し、いりますか？」

やまと「あぁ、頼むわ」

何本かシュートを決めたやまと先輩が私から受け取ったボールをドリブルした

やまと「どう？」

「フォームも綺麗でいいと思いますよ？」

やまと「そうじゃなくて」

「…？」

やまと「マネージャーの仕事」

「だいぶ慣れてきました」

やまと「ゆうまは？」

「へ？」

やまと「好きなんでしょ？」

「へ、いや、そんな…」

やまと「ゆうまがいるから、バスケ部来たんじゃないの？」

「…」

初めて会った日、助けてもらった時から気にはなってた

腕を引かれた時、

『来てくれたんだ』とふわっと笑った顔、

『しっぽちゃん』と呼んでくれるのも、特別感があって嬉しい

「…」

やまと「いいね〜、たくさん悩め」

「…」