6（ひゅうがside） ページ45
あの日以来、Aはお店に来なくなった
連絡もつかない
原因なんて分かってる
ゆうたと再会したからだ
俺が、ゆうたにはっきりAと付き合ってるって言わなかったからだ
ゆうた「ひゅうが」
ひゅうが「……ゆうた」
ゆうた「俺、ひゅうがのこと好きだよ」
ひゅうが「…」
ゆうた「あの日からずっと、好きだった」
ひゅうが「……なんで」
ゆうた「周りの目を気にして、ひゅうがのこと傷付けた、ごめん」
ひゅうが「…」
ゆうた「俺は、今からでも間に合うと思ってる」
ひゅうが「…」
ゆうた「あの子、もうここに来てないんでしょ？」
ひゅうが「ぇ、」
なんで、ゆうたがそれを…
ゆうた「あの子と話した」
ひゅうが「…」
ゆうた「ゲイはゲイ同士の方がうまくいく」
ひゅうが「…」
ゆうた「だから、俺と付き合って？」
ひゅうが「……ごめん」
Aを探さないと…
Aとちゃんと話さないと…
店を飛び出してBARが立ち並ぶとこを探す
ゆうた「ひゅうが！」
後を追いかけてきたゆうたに腕を掴まれた
ゆうた「俺の言葉で、離れること決めたんだ」
ひゅうが「…」
ゆうた「それが、あの子の答えだろ？」
ひゅうが「でも…」
ゆうた「好きなんだよ」
ひゅうが「…」
ゆうた「俺は、ひゅうがが好きなんだよ」
そう言って頬を触られた
ひゅうが「…」
ゆうたから視線を逸らすと、Aに似てる人が見えて、
その目の前にも、見覚えのある人…
ひゅうが「……ごめんっ」
ゆうたの手を振り払い、その人たちの元に向かう
Aの名前を呼ぼうとしたとき、『大好き…』という声が聞こえて足を止めた
ひゅうが「…」
顔を上げたAの元彼と目が合った
やまと「…」
彼の手がAの後頭部に触れて胸元に引き寄せた
ひゅうが「っ…」
「やまと…？」
やまと「A、もう一回俺と付き合おうよ」
「ぇ、」
ひゅうが「…」
やまと「最低だけど、やっぱ俺はAじゃなきゃダメだ」
「…」
俺と視線を合わせたまま、そうAに伝える
ひゅうが「…」
Aの肩を掴んで自分の方に引き寄せた
「……ひゅーちゃん？」
ひゅうが「…」
やまと「あんたはあんたの世界で生きろよ」
ひゅうが「…」
俺の、世界…
「…」
ひゅうが「…」
Aの手を引いて歩き出した
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作者名：明希
| 作成日時：2022年3月20日 18時
