短編集.com2 (ページ35)

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「絶対動いちゃダメだからね？」

やまと「はぁい…」

キッチンに着いて、やまとを冷蔵庫の上に乗せた

やまとにはお粥を、その他のチビたちには雑炊を作る

やまと「A…」

「ん？」

やまと「きょーは、ずっと、ちかくに、いてね？」

「……はいはい」

普段あんなんだから、急にこう来られると、困惑する…

「よし、出来た」

お粥と雑炊を作り終え、お盆にチビたちのご飯、そしてやまとを乗せてリビングに戻った

「はい、ご飯出来たよ」

ひゅうが「お、美味そう！」

ゆうた「いただきまーす」

チビたちががっつき出したのを見て、やまとにお粥を渡す

やまと「んーん」

食器は受け取らずに『ぁ』と口を開ける

「…」

やまとのスプーンにお粥をのせて口まで運ぶ

やまと「ぁーん…(もぐもぐ)」

風邪をひくと、こんなにも甘えたになるのか…

それからもぐもぐと食べては『ぁ』と口を開けての繰り返しで、全部食べ切った

問題は…

「薬…」

薬を飲んだ方が早く治るだろうが、

「分量…」

生憎というか当然、このサイズの人間用の薬なんて持ち合わせていない

削るか…？

そう思って薬を一錠持ち、キッチンに向かおうとすると、案の定やまとに呼び止められた

「あぁ…はい」

手のひらに乗せて、キッチンに向かう

包丁で薬を削り、0.何グラムをやまとのスプーンで掬い、お湯に溶かした

「はい、薬」

やまと「うげ…」

「飲まないなら、他のチビたち連れて出掛けてくる」

『もちろん、やまとは留守番ね？』と言うと泣きそうな顔をして口を開けた

「はい」

薬を飲ませて、しばらくするとウトウトしだした

「おやすみ、やまと」

やまと「んん…A…そばに…」

「いるから、寝ていいよ」

やまと「んん…」

目を閉じたやまとは、すぐに寝息を立て始めた

その日はずっと甘えたなやまとだった

ちなみに、次の日の朝、『治った！』というやまとの大声で起こされた