短編集.com2 (ページ18)

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『帰る』と告げてから店を出て歩いていると後ろから手を掴まれた

やまと「…」

「…」

やまと［急に、どうしたの？］

「…」

やまと「…」

そのまま手を引かれてタクシーへと乗り込んだ

やまとくんの家につくと手を引かれ、部屋まで連れていかれる

やまと［さっきの］

「…」

やまと［俺はどうかと思う］

「…」

やまと［あの人は、仲間みたいな人だし、ちゃんと挨拶して欲しかった］

「…」

だって、どうせ通じないじゃん

やまと［挨拶しない人と付き合ってるって、思われたくないし］

「…」

正直、限界だ…

自分よりも距離が近い相手、

自分よりも簡単にコミュニケーションが取れる相手、

自分よりも、上に思われてる相手…

【…別れる】

やまと「…」

【やまとくんと、別れる】

やまと［待って、なんでそうなんの？］

【私と、やまとくんは、住む世界が違いすぎる】

やまと「…」

【コミュニケーションだって、人よりも時間がかかる】

やまと「…」

【私は、やまとくんの声が聞こえない】

やまと「…」

【やまとくんが、どんなに叫んだって、私には届かない】

やまと「…」

やまとくんは、普通の人と付き合った方が、幸せなんだ…

【私は、やまとくんを、幸せにできない】

やまと［そんなこと、］

【別れよう】

やまと「…」

それだけ伝えて家から飛び出した