2（ゆうたside） ページ11
『眠すぎる…』と思いながらYTFFの撮影のため群馬へと来た
夕方に撮影が終わってスタッフさんたちに挨拶をする
それからいろいろ片付けて、
やまと「軽く飯食うか」
やまと密着の一人一人のインタビュー撮影の前に飯に行くことになった
やまと「何食う？」
ひゅうが「肉だろ」
ノリノリな2人の後ろでゆうまとあっちゃんが意味不明な絡みやってて、
俺は最後尾でポケットに手を突っ込んで歩く
やまと「あ、定食屋あんじゃん」
ひゅうが「でも、閉店時間まで後ちょっとじゃね？」
やまと「本当だ、じゃ、別のとこだな」
そう言って定食屋を通り過ぎた時、
ガラガラと音が聞こえて『ありがとうございましたー』と聞こえた声に足を止めた
あむぎり「ゆうた？」
急に足を止めた俺に気づきあっちゃんが振り返った
振り返り、定食屋へと足を進めた
あむぎり「え？ゆうた？」
ガラガラと戸を開けると女性がテーブルを片付けてた
『すみません、ラストオーダー終わっ…』と振り返った彼女は、およそ5ヶ月前に俺の元を去ったA
「…」
『おい、ゆーた、急にどうした？』とみんながゾロゾロ入ってくる
やまと「ぇ、」
あむぎり「Aさん、だっけ？」
閉店間際ということもあって幸い、お客さんはいない
ゆうた「A…」
『Aちゃん、知り合い？』とキッキンから、おそらく店主さんが話しかけてる
「…」
店主「…お兄さんたち注文は？」
やまと「ぇ、でも閉店時間…」
店主「Aちゃんの知り合いみたいだし、特別ね？」
各々注文を済ませて席に座る
裏方で1席、俺以外の4人で1席、そして、
「…」
ゆうた「…」
俺の前にはAが座ってる
ゆうた「…元気してた？」
「…」
Aは俯いたまま何も言わない
ゆうた「…」
あの人のこと、聞きたいけど…
聞いても、大丈夫かな…
「…お母さん、離婚した」
ゆうた「…そっか」
「…あの人、捕まった」
ゆうた「そっか、良かった」
捕まったのか…
安心した…
『お待たせしました』と料理が運ばれてくる
俺ら以外の席はわいわい話しながら食べてて、
俺は黙々とご飯を食べる
食べ終わった後、右ポケットに手を突っ込んで考える
あの日、Aから奪ったままのネックレス…
ひと時たりとも手放したことはない
これを返してしまえば、
本当にAとの繋がりがなくなってしまうかもしれない…
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作者名：明希
| 作成日時：2022年3月20日 18時
