ねがてぃぶがさんじゅうご ページ36
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傍から見れば今の私は不審者だろうが、可愛らしい猫を前に止まることは出来なかった。
身体を出来るだけ小さくして、私なりに怖くないですよアピールをする。
……それを理解したかはわからないが、黒猫はきょとんとした顔で、逃げるわけでもなくこちらを見つめていた。
ぐっと息を呑み、自分の何倍も小さいその身体にそっと手を伸ばす。
_____黒猫の背中の毛が、手にあたる感触がした。
「あ……猫………かわい…………」
………かわいすぎる………!
まだ子猫だから警戒心が薄いのか、大きな目を見開き、にゃーと小さく鳴いてそのまま撫でられていた。
一撫でした後、逃げないのを確認し、もうちょっと…と撫で続けていく。
………かわい、もふもふだ……。
意図せず表情が緩んでいくのを感じた。
「ぶっ……ふ、……ん"ん"」
「…吹き出さないで」
「おいその状況で振り返るんじゃねェ、
笑いがっ……止まらな……っ!」
「私は周囲の視線が怖いよ……」
……と、背後にいた沖田が吹き出すので軽く睨んでおいた。
怖くないかもだけど、私なりに必死に睨んでる。
もう、こうやって遊ぶために鮭の着ぐるみなんか着せてきたってわかってたけど。
少しの羞恥心と、誰かに見られていたら…という恐怖心も、子猫の小さくて愛らしい鳴き声には勝てなかった。
自分の格好なんてどうでもいい……かわいいなあ……。
「ぐふっ」
「………沖田」
………やっぱりどうでもよくない、沖田のばか。
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時