ねがてぃぶがさんじゅうに ページ33
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山崎君から預かった資料を部屋に持ち帰った後、部屋の前で待っていた沖田と合流する。
そして見回り用の車に乗りこみ、私の運転する横で爆睡をキメる沖田。
……ここまではよかった、よくないけど。
問題なのは、駐車した車から降り、速攻で沖田が路地裏に入っていった時だ。
直前まで爆睡していたとは思えないぐらい、シャキッとした様子で颯爽と後ろ姿が遠ざかっていった。
慌てて私も路地裏に滑り込んだ。
……そこにいた沖田が発したのは、「野良猫探ししやせん?」という突拍子もない発言だった。
「前に猫が好きって言ってたんで…」
「……完璧に不審者だよね?野良猫探しなんて」
疑問を抱き、さすがの私でも沖田を問い詰めていた。だって明らかにおかしいもん。
「そうかィ?俺ァ毎日マヨネーズを買っていく隊士を見るコンビニ店員の方が、不審者を見る目してると思うぜ」
私のことかな?
……うん、まあ、ここまでは許せるよ。
野良猫探しぐらいなら、私だってこっそりやったことあるし。
問題はさ、そこじゃなくて。
「違くて、この格好のこと言ってる」
「何がおかしいんでィ、俺にゃわかんねーや」
食い下がる沖田に私は言葉を続ける。
「全部だよ!なんで鮭の着ぐるみ…?!
なんで沖田は猫なの!!?!」
「俺は同族に扮する作戦で行きやすが、朝霧には好物を担当してもらおうかと」
「ドSバカだ、バカだ……!」
そう、沖田と私はいま、なぜか鮭や猫の着ぐるみを着ていた。
いつかのカブトムシの着ぐるみを思い浮かべ、口元が引きつった気がする。
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時