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ねがてぃぶがじゅうなな ページ18

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side 朝霧



「そういえば朝霧、姉上が送ってくれてた煎餅はよく食ってやしたね」


「………ああ、うん、まあ」


「辛いもんの方が好きでしたかィ」



あっけらかんと言い放つこの男に文字通り目眩がする。いやこの目眩は睡眠時間からかも。


……あれよあれよという間に、彼の行き着けだと言う団子屋へ訪れ、2人並んで赤い長椅子に座っていた。


なぜこうなったのか。


つい先程のことだ。


布団の中で考え事をしていたら、本当に一睡もできないまま朝が来ていてそれはもう驚いた。


さすがに身体にガタが来たものの、毎朝の基礎練習は大切である、誰もいない稽古場で1人竹刀を振っていたら____



「朝霧ィ、ちょっと付き合ってくだせェ」



珍しく早起きな沖田がやってきて、そんな事を言ってきた。


ついきょとんとしてしまったが、頭を振って練習をサボるのはよくない、と思い直す。


……断ろうとしたものの、



「……ええと、お気づかいなく……」


「はあ?
遠慮なんかしてんのかィ、水くせーやい」


「いやあの敬語……」


「うるせーさっさと行くぞ」



デジャヴだがそのまま腕をむんずと掴まれ、連れてこられたのがここ、という訳だ。



「……おい、聞いてんのかィ」



…と、不機嫌そうな沖田の声に現実に戻される。危ない、過程が目まぐるしすぎて意識飛んでた。



「あ、ごめん、えと…


……あれは、ミツバさんが送ってくれたものだから」


「へェ、そーゆーもんですかィ」


「……うん、多分」


「多分て…はっきりしねェ女はモテやせんぜ」


「あはは、そうかも」



乾いた笑いを1つ零してから、手元のみたらし団子を見つめる。


一口だけ齧られたそれは、朝日に反射してキラキラしていた。私の目には痛い。



「いらねーのかィ」


「い、いや、なんか食べるの、もったいないなーって」


「じゃあ俺がもらっちまっても、」


「…………」


「………っぶは、
んなあからさまに嫌そうな顔すんな…、はは」



……沖田はこんな無邪気に笑う人だっただろうか。


別に、今私嫌そうな顔してない…と思うけど、
……本当はちょっと嫌だったけど、
欲しいって言ったらあげるつもりだったけど。


なんか納得いかなくて、心の中でつらつらと言い訳を述べる。


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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組   
作品ジャンル:ラブコメ
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時

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