ねがてぃぶがじゅうに ページ13
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「はっ、やっぱアンタはいじり甲斐がありまさァ」
「わ、わざと?わざとやってたの??」
「はあ?あたぼうよ」
「そうだった……この人ドSだった……」
「そら周知の事実だろィ」
沖田は悪魔的に口角を吊り上げて笑った。
言い返す言葉もない、満足そうで良かったね、と恨みがましく睨むので精一杯だ。
……年下相手にムキになるなんて馬鹿馬鹿しい。
やっぱり理解できなかった、やめよう、早く仕事に戻ろう……。
徒労に終わってしまった、と肩を落とし立ち上がる。
……自意識過剰だったな、私のせいでこの人が怒ってるかも、なんて。
沖田にとって私なんて視界の端っこにいる虫と同じで、意識するまでもない存在なのに……。
勝手に凹んでいると、再び沖田はその場に座ってアイマスクをしてしまった。
どうしたらいいか分からなくて、ちょっとの間じっと沖田を見つめる。
「俺ァ昼寝の続きがあるんでィ、さっさと出てけ」
「あ、はい……。
…上司として一応言うけど、仕事してくれると、嬉しい、んだけど、」
「俺の分の仕事を片付けんのがアンタの仕事だ、つべこべ言わずやって来い」
「最悪だよもう…」
……視線に気がついた沖田に、しっしっ、と虫を追い払うような仕草をされてしまった。
いつもの事だ、突っ込む気力なんてもうない。毎度毎度土方さんはよくやってるよほんとに。
……というかまあ、私が沖田に何か言えた立場じゃないから……、こんな情けない上司を持って可哀想なのは沖田だし……。
諦めの気持ちいっぱいに、力なく笑ってしまう。
じゃあね、と一言声をかけ、くるりと踵を返したその時_____
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ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時