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窓の外が明るくなるまでの時間は長いような、短いような、目を瞑ってみたって少しも眠くなんてならなかった。
優太くんに写真を撮ってもらう。
私が被写体の写真。
服はどうしたらいいだろうか。
さっき慌てて出て行った時みたいなジーンズではあんまりだろうし、かといって必要以上に着飾っていくのもなんだか違う気がする。
メイクは少しくらいした方がいいのかな。
『Aのこと、撮ってみたいんだけど』
優太くんの言葉にびっくりして、その視線にドキッとして、“撮られてみたい”とそう思った。
あの勢いのまますぐに実行に移されていれば、こんなにも些末なひとつひとつのことに思い悩む必要はなかっただろう。あの夜の暗闇の中でまばらにある外灯だけを頼りに撮影なんてできないだろうから、それは仕方ないのだけれど。
というかそもそも、「日が昇ったら」って何時何分だろう。ちゃんと約束の時間を決めてこなかったな、と思う。
時間は決めなかったけれど、場所はまた、二人で防波堤に座って話したあの東の海岸あたりにしようと言っていた。
――東の海岸。
何度も見た夢の景色を思い出す。
そこは、初めて私が私の女神様を見つけた場所だ。
私の女神様、橘菫ちゃん。
8歳の夏の日の早朝、この島で撮影をしていた菫ちゃんと偶然出会った。
彼女がそこにいるだけで、見慣れたはずの世界は一瞬にして全ての色を変えた。
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日が昇り身支度が済んだ頃、覗いた窓の外には既に優太くんが立っていた。すぐに階段を降り、本日二度目の脱出を図る。
迷いに迷った服装は、あの日の菫ちゃんが着ていたものと似たかたちのワンピースを選んでしまった。窓から抜け出るなんてはしたない動作には全く適していないその清楚な装いのせいで、優太くんのもとへ行くのにさっきよりもだいぶ苦労した。
けれどそれでも、なんとなく、そのワンピースが着たいと思ったのだ。
よ、と片手を上げる優太くんに同じ仕草を返して、藍色が薄くなり始めた海へと二人歩いて行く。
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こむぎ(プロフ) - sarusukiさん» 2はフラグが立ってるので、問題ないようであればご自身で設定をお願いします！ (2018年6月17日 18時) (
レス) id: c18b3d0fe1 (このIDを非表示/違反報告)
sarusuki(プロフ) - パート2の方が見られなくなってしまいました！！見られるようになりませんか？涙 (2018年6月17日 17時) (レス) id: bd649719ef (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - 湊さん» ありがとうございます！この話は書きたい描写が多すぎるので、できるだけくどくならないように気をつけたいと思ってました…！多分まだまだ続くのでこれからもお付き合い頂けると嬉しいです〜！ (2018年5月20日 16時) (レス) id: ae12cda8c1 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - こむぎさんの書くお話大好きです！！諄くない、綺麗な文章を書く方だなぁ、といつも思ってます。これからも更新楽しみにしてます！ (2018年5月17日 13時) (レス) id: 5d99fecd0e (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - ゆりーるさん» わーいありがとうございます！3人のもともとの強すぎる個性を殺さないようにキャラ作れたらなぁと思ってるのでそう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです〜！これからもよろしくおねがいします！ (2018年3月3日 15時) (レス) id: 599e963edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2018年1月3日 11時
