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次に見せてくれたのは、ひたすらに明るくてきれいな世界。
真っ赤に色づいた花が埋め尽くす丘のような場所と、青空、白い雲。
さっきの写真のような神秘的な美しさとはまたちがう、3色がつくる鮮やかなトリコロールカラーの色彩の美しさ。
「これは何の花なの？」
「何だっけ…、なんか、赤いやつ」
優太くんは撮る事象に対してはあまり興味がないらしい。
けれど、ファインダーにどの景色を収めるか、どの瞬間を切り取るかにはきっと相当な情熱と拘りがあるはずだと勝手にそう思った。
だって、この島の海の写真も、天空の城跡の写真も、真っ赤な花畑の写真も、それぞれちがった美しさなのにそのどれにも心を打つものがあった。
「ねぇ、すごい。本当にすごいよ、優太くん。ごめんね私語彙力がなくてすごいとか素敵とか、そんなばかみたいに平易な言葉しか出てこないんだけど、」
何だか言いようもなく気分が高揚した。
熱のこもった私の物言いがおかしかったのだろうか。
優太くんはその大きな目を瞬かせる。
「好きだなぁ、優太くんの写真」
本当に、単純な言葉しか出てこないのが悔しいけれど。
それでも優太くんはその言葉に、目尻に皺をつくって笑ってくれる。
「…そんなにまで言ってくれるならプリントしときゃよかった」
分かりやすく照れくさそうに言う彼に私も笑う。
まるで、幼い頃に母が読んでくれた絵本の、次のページを早く早くとねだった時のように、優太くんが見せてくれる景色にも、もっと次を見せてと何度もそうねだった。
青空に映えて白銀に輝く樹氷。
鏡面のように夕日を映した棚田。
いくつもの鳥居でできた長い一本道や、
深い自然に囲まれた渓流。
全て、優太くんがこのカメラを通して象った世界。
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こむぎ(プロフ) - sarusukiさん» 2はフラグが立ってるので、問題ないようであればご自身で設定をお願いします！ (2018年6月17日 18時) (
レス) id: c18b3d0fe1 (このIDを非表示/違反報告)
sarusuki(プロフ) - パート2の方が見られなくなってしまいました！！見られるようになりませんか？涙 (2018年6月17日 17時) (レス) id: bd649719ef (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - 湊さん» ありがとうございます！この話は書きたい描写が多すぎるので、できるだけくどくならないように気をつけたいと思ってました…！多分まだまだ続くのでこれからもお付き合い頂けると嬉しいです〜！ (2018年5月20日 16時) (レス) id: ae12cda8c1 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - こむぎさんの書くお話大好きです！！諄くない、綺麗な文章を書く方だなぁ、といつも思ってます。これからも更新楽しみにしてます！ (2018年5月17日 13時) (レス) id: 5d99fecd0e (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - ゆりーるさん» わーいありがとうございます！3人のもともとの強すぎる個性を殺さないようにキャラ作れたらなぁと思ってるのでそう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです〜！これからもよろしくおねがいします！ (2018年3月3日 15時) (レス) id: 599e963edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2018年1月3日 11時
