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*続き(完) ページ14

ちゃん様リクエスト 真鳥side
『末澤くんの相談と愚痴』

特支学級の授業が空いてて珍しく職員室で過ごす3時間目、数人しかいない室内でデスクワーク。
あるとき不意に一瞬何か変わった気配がした。
何かあったんかなーって考えながら作業してると夢主ちゃんがドタバタ机の間をかき分けて来る。

「真鳥先生!」
「ん?夢主ちゃん?」
「今来てた男の子が、末澤くん倒れたって…!」
「え、マジで」

取り敢えず状況を確認しようと周りを見渡したら何人かの先生が担架を持って職員室から出ていくところで、慌てた様子の生徒は確かに中学2年。
末澤って名字が校内に複数人いるとも思えんし、あいつが倒れたなんて只の体調不良な訳が無い。

「夢主ちゃん、保健室行って待ってよか」
「ベッドとか用意しますね!」
「俺も色々手伝うわ」

職員室にいた先生は殆ど出払ってたから、2人で保健室へ行って夢主ちゃんがベッドの用意をしている間に俺は机やソファーの類いを端に寄せて、ベッドまで生徒を担架で運び込める動線を作る。

「夢主先生!」
「こっちのベッドお願いします!」
「僕乗せますね、末澤ちょっと揺れるで」

小っちゃくて軽い体を持ち上げてベッドに移す。
他の先生が撤収して落ち着いた頃に顔色を見ると呼吸は荒いし大きく上下する肩をトントンしても反応は無い、ただ閉じられた目から涙が溢れる。

「末澤くん…え、ホンマに起きへんやつやん」

もう本人をどうとか言うてる場合じゃなくなって末澤のクラス担任の先生から家に電話してもらうと、奇跡的に今日はお兄さんが出掛けてて家にはお母さん1人だったから迎えに来てくれるそう。
そう伝えに保健室へ戻ったら漸く末澤が起きた。

「…先生?」
「起きたか、お母さん迎えに来てくれはるから」
「え、でも」
「しんどい時は気にせんと甘え、な?」

それから末澤は帰って夜に親御さんから連絡が。
勿論つきっきりで看病してくれてたのはお母さんやってんけど、それ以上に甘やかしてあげてたり末澤も甘えてたのはお兄さんの方やったらしい。

「おお1日で治ったんか」
「まとくん先生、熱もう無いよ!」
「そっか。何か悩み事とか無いか?」
「…今日は平気」
「愚痴でも相談でも、言うてええねんで?」

一周回って素直になる末澤の間を俺は逃さない←
もういっぺん聞いたら進路希望調査の話が出て、お母さんには相談しづらかったみたいやから今度一緒に考えよかって約束したら嬉しそうやった。

*大橋くんの体調不良(完)→←*続き



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y - MOON NIGHTさん» こちらこそ完結までお読み下さいまして誠にありがとうございました。読者様に支えて頂いた部分は凄く大きかったですし、ほっと心が温まるようなお話を通して私の伝えたかったことや自分の心そのものを整理できたので良かったと思います。長らく御世話になりました。 (2018年1月24日 14時) (レス) id: cd7f25b263 (このIDを非表示/違反報告)
MOON NIGHT(プロフ) - 完結お疲れ様です。ステキなお話ありがとうございました。作者様の書く文章が大好きです。何か、こう、温かさを感じていました。本当に素晴らしいお話をありがとうございます。 (2018年1月23日 23時) (レス) id: 38dd7cb8aa (このIDを非表示/違反報告)
y - MOON NIGHTさん» こちらこそリクエストして頂きまして誠にありがとうございました。色々なお褒めの言葉、嬉しい限りです。これからも本作品をよろしくお願い致します。 (2017年11月14日 7時) (レス) id: cd7f25b263 (このIDを非表示/違反報告)
MOON NIGHT(プロフ) - リクエストお応えいただいてありがとうございました!やはり作者様の書かれる文章がとても好きだなあと改めて感じました。心情表現というか人との関わりの表現だったりストーリーそのものが大好きです。続きのお話も楽しみにしております。 (2017年11月13日 18時) (レス) id: 38dd7cb8aa (このIDを非表示/違反報告)
y - さちお。さん» 2度目のコメント&リクエストありがとうございます。朝田くんは毎年校外学習に行っていない設定なので特支教室メンバーでの学校訪問だったり見学などといった形になると思います。他に細かい希望があれば後からでもコメントして下さい。 (2017年10月28日 8時) (レス) id: cd7f25b263 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:y | 作成日時:2017年8月20日 12時

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