・愛しのあの子の本命は ページ36
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ゆうた「Aちゃんさ、ぶっちゃけ今どうなの?」
さっきまで笑顔だったのに、いきなり表情が曇る彼女。
「...わかんない」
ゆうた「それはどういう意味で?1番が決まらないってこと?」
「頭の中にふたり居て...どっちも凄く真っ直ぐ気持ち伝えてくれるから迷ってる」
ゆうた「その中に俺は居る?」
「居なきゃ今日みたいなデート絶対にしてないよ」
ゆうた「それ聞けて良かった。俺はAちゃんの事が1番気になってるのは最初からずっと変わらないから」
「うん、ありがとう」
彼女の頭の中に俺が居るだけで、今は満足だ。
もう1人がひゅうがなのかやまとなのか...なんとなく想像は付くけどいざとなると怖くて聞けない。
ゆうた「欲を言えば俺を選んでくれたら幸せだし、絶対幸せにする自信あるけど、いっぱい悩んでゆっくり決めた上で俺を選んでくれるのが1番幸せだから」
「ゆうたってほんとにずるい。そりゃモテるわ笑」
いつの間にかAちゃんに少し笑顔が戻ってて、俺もちょっとだけ笑顔になる。
ゆうた「俺がモテたいのは不特定多数じゃなくてAちゃんにだけなんだけどな〜」
「ほら!そういうとこ!さすが推しランキング1位!」
ゆうた「だから、Aちゃんからの推しランキング1位じゃないと意味ないのよ」
「ごめん、あたしの推しランキング1位はやまとだわ」
ゆうた「うん...最初から聞いてるからいいけど今のは嘘でもゆうただよって言う場面ね...?」
「ゆうたが1番だよ!だいすき!」
ゆうた「...もういいや。嘘でも嬉しい。」
そんな話をしてたら車に着いて、迎えに来てくれたAちゃんのマネージャーさんが車を横付けしてくれたから荷物をそっちへ積み込む。
ゆうた「じゃあ、また(ピロンっ)え...」
またね!と言おうとした瞬間、同時に鳴る通知に時が止まる。
「え、同時...?」
ゆうた「...うん」
みきオープンチャット使います。やまとくん、次の作業の後ふたりでお出かけしませんか?
「っっっ、」
やっぱりやまとなんじゃん。
LINEを開いた瞬間のAちゃんの顔が凄い悲しそうで、1番が誰なのかなんて聞かなくても分かる。
ゆうた「行くの?」
「...行かない」
ゆうた「じゃあ俺も行ーかねっ」
こうして俺とAちゃんのデートは幕を閉じた。
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作者名:yyf | 作成日時:2021年8月31日 6時