千夜一夜絵巻～二人の国王～ (ページ14)

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バカなマネはおやめページ14

A「チャンミンっ！」

チャンミンの前にユノの護衛隊長の鋭い剣が立ちふさがっていた。

バタバタとチャンミンが動くたび、ガシャリと剣が動く。

チャンミン「おぅわ？！バカ！カイ！あっぶねーなっ！」

カイ「動かないで下さい。ここが血の海になっても良いのですか？」

チャンミン「ヒィィィつ？！セフーン！ヘルプミー！！」

ユノ「ククク…お前の主が助けを求めてるぞ？早く助けてやれよ。」

セフン「ご心配には及びません。ご自分でどうにかなさいます。」

な？！

この期に及んでなんて事いうのセフン！

A「ちょっとセフン！早く助けなさいよっ！ほんとに斬られちゃうわよっ！」

チャンミン「そうだそうだ！助けろっ！」

セフン「王様！！」

チャンミン「ビク…ッ！」

セフン「ここでバカな振る舞いはおやめください！演じるのは城の中だけで結構です！」

え…？

演じる…？

セフン「本気で惚れた女を助けたいなら、ご自分も本気にならないと！」

チャンミン「……フッ。だってさ…カイ？」

チャンミンの顔つきが変わった。
同時にユノ顔色も変わった。

ユノ「カイ？！離れろ？！」

カイ「え？……っ？！」

一瞬の出来事だった。

カイの持っていた剣がチャンミンに奪われその剣はカイ自身に突きつけられた。

チャンミン「目に見えるものだけが真実だと思うな。剣の修練だけじゃ俺どころか、うちの庭師にも負けるぞカイ？」

カイ「……っ！」

A「チャンミンっ！後ろ！」

セフンの背後にいたD.Oがチャンミンに襲いかかろうとした。

ガッシャーン！

持っていた剣で短刀を弾いた。
そしてチャンミンの長い足が伸びD.Oの足を引っ掛けた。
その拍子にその場に転ぶD.O。
そのD.Oの顔の横に剣を突き刺した。
突き刺した剣は石畳の隙間にまっすぐ刺さった。

チャンミン「そこで大人しくしてろ。」

そう言い放つとゆっくりと歩いてユノのいるベッドまで来た。

チャンミン「どけよ。」

ユノ「はっ…この状態で動けるか？動いたら首が飛んじまう…アホが」

チャンミン「それもそうだな。A！」

A「…チャンミン！」

迷わずチャンミンの胸に飛び込んだ。

チャンミン「帰ろっか？(ニッコリ)」

またいつものチャンミンの顔に戻った。

これも演技？

ううん、そんな事どうでもいい

だって私、この笑顔も好きだもん。

A「うん！」