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「また、部屋のロックは解除いたしました。どうぞ、ご自由に出入りなさってください。さっそく説明に入りますが、この施設の利用方法は自由です。規約の範囲内でお好きなように使っていただいて構いません。先程お渡しした、タブレッチにマップ、詳しい説明がありますので、閲覧を推奨いたします。それでは、一週間後にお会いしましょう」

 ぶつりと無造作に切られる。再び、一方的に説明をされただけで、それ以降、スピーカーから声が聞こえることはなかった。

 不本意ながら、タブレットを起動して見る。ぼわんと青白く光る画面に持ち主の情報が映し出された。といっても、顔写真と名前、そしてその読み方と部屋番号だけなのだが。右にスライドすると、施設のマップが表示された。画面の右下に『規則』という文字がある。タップしてみると、5つほどのルールがあった。簡潔にして言えば、コロシアムに参加することは絶対条件であり、途中リタイアは認められない。施設内を調べ回ることは可能。現実世界での殺人は厳禁されており、最低限の規則正しい生活を送ること、そして、ゲームマスターの指示には従うこと、と記載されていた。

 持ち主の画面に戻り、左にスライドすると『unknown』という文字が17個、縦に並んでいた。一番上の『unknown』をタップすると、画面の左側に人型のシルエットが現れ、その横、つまり右側には名前、武器・能力、状況が載る簡易プロフィールのようなものがった。

「なんだこれ?」

 立花樹が疑問に思ったのか、声に出した。それに、東雲颯斗が答える。

「たぶん、他の人が作成した仮想世界のアバターの設定じゃないかな」
「設定は下にある『アバター登録』からできるんだな」

 「ふんふん」と頷きながら『unknown』が並んだ画面に戻って『アバター登録』のボタンをタップした。左側には、黒い髪の男の子が棒立ちしており、性別を変えると立ち方が変わったり、服装を変えると衣装を確認するような動作をした。

「使用用途が違ったらすごく楽しいのにね」

 アバターの見た目を変えながら、佐久間澪がつぶやく。その言葉に賛同する人も少なくなかった。

「ボクが来たときにも聞いたんやけど、みんなはこのゲームにノリ気じゃないんやろ?」

 皆がタブレットを確認し終えたあと、京雪が尋ねたが、誰も何も言わない。

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作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/utahakiku08/  作成日時:2019年7月7日 14時

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