_10 fin. ページ32
A「…あれ、」
神山「あ、起きました？おはようございます」
なんて言うてるけど俺一睡もできてへんし。
心臓バックバク。
A「社長は…」
神山「僕にAさん任せてお帰りになられました。
仕事あるからって」
A「あぁ、そうなんですね。
すみません、寝てしまったなんて…
お恥ずかしい限りです…」
神山「全然全然！
…中間さんに連れて帰られるよりは全然」
A「…え？」
神山「あ、あの、昨日寝言で」
A「え、私 寝言言ってたんですか？
うわ、恥ずかしい…」
神山「 “ すき ” って。」
A「えっ、」
みるみるうちにAさんの顔が赤くなっていく。
A「もしかして、私…
智洋さんのことを 好きだって…？」
神山「まぁ、似たようなことを…」
A「…」
神山「あの、それでそれが本当なのかどうかを確かめたいなぁ、と…」
しばらくの沈黙のあとにAさんが口を開いた。
A「本当、です。
ごめんなさい、迷惑ですよね。
たかが客、ですし…」
徐々に下がっていく目線。
A「…帰りますね、私」
上着と鞄を抱えて帰ろうとしたAさん。
神山「…待って。帰らんといて」
A「智洋さん？」
神山「迷惑ちゃいます。
むしろ嬉しいです。Aさんの気持ち。」
ふぅ、と一息深呼吸。
神山「俺もAさんが好きです。
お客さんにこんな気持ち抱くのなんて良くないことやってわかってました。
それでも、それでも好きなんです。」
A「智洋さん…」
神山「…いつも優しくて。
とにかく仕事熱心で。
完璧そうに見えるけど実はちょっと抜けてたり。
礼儀正しいところとか、楽しそうに笑う笑顔とか…すごく好きなんです。」
A「…本当に？」
神山「はい、本当です」
A「私、バツイチですよ？」
神山「知ってますよ」
A「…智洋さんより年上ですし」
神山「そんなん関係ないです」
A「智洋さんが？私を？」
神山「…何回言わせる気ですか？」
なかなか信じてくれないAさんの腕を引き、
ふわりと優しく抱きしめた。
神山「なぁ、Aって呼んでもええかな」
A「…いいよ」
真っ赤に染まった頬を隠すように
俺の胸に顔を埋めたAは、
そっと俺の腰に腕を回し返してくれた。
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なこたん(プロフ) - ひのりーるさん» いえいえ！素敵な作品ですね、次の更新も楽しみにしています♪頑張ってください。 (2016年11月27日 16時) (
レス) id: 3e52d8806d (このIDを非表示/違反報告)
ひのりーる(プロフ) - なこたんさん» ご指摘ありがとうございますm(_ _)m 全く気がつきませんでした… 修正していただきました！ (2016年11月27日 16時) (レス) id: c73deeb403 (このIDを非表示/違反報告)
なこたん(プロフ) - 禁煙スペース、ではなく喫煙スペース、ではないでしょうか？すみません、気になったので(^^; (2016年11月27日 15時) (レス) id: 3e52d8806d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひのりーる
| 作成日時：2016年11月3日 16時
