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反射的に顔を上げて、思わず呆けた面をしてしまう。リドルくんはその美しい顔を盛大に歪ませていた。
耐えられないとでも言うように、アハアハと笑って、彼は私と視線を合わせるようにしゃがみ込む。
「キミ、ひどい姿…ふふ、アハハ。大丈夫かい？」
笑みを浮かべたまま差し出される手に、呆然としながらも条件反射のように軽く手のひらを乗せる。ぐい、と予想以上の力で引っ張られて、ほとんど強制的に立ち上がった。
後ろ髪が前に来て、有名ホラー映画"貞子"になっていたのも指で払って直してくれる。髪でよく見えなかった視界がクリアになって、ようやく状況に思考が追いついた。
目の縁に浮かんだ涙を自分の指ですくって、彼は私に笑いかける。
「ありがとう。…その、気持ちが晴れたよ。女の子にこんなこと言うもんじゃないと思うけど、あんなおぞましいの、初めて見た。ふふ」
つまり、ジャパニーズホラー貞子は、リドルくんにとってかなりツボだったらしい。ゴメンと何度も謝りながら、私の失態も纏めて笑い飛ばしてくれる。
確かに、貞子を知らない人間からしたら髪の毛の化け物かと思うほどおぞましく、得体の知れないものだと思うだろう。妙に納得して、その得体の知れないものが私だということに繋がったリドルくんがこれだけ爆笑していることにも納得する。
先ほどの気まずい空気が嘘のようだ。
「怪我は？」
「大丈夫。ちょっと転倒してあんなことに…」
「ぶふっ」
止まったかのように思えた笑いが、匙を切ったように溢れ出す。次は壁に手をついて小刻みに笑うリドルくんを見て、私は意識のうちに口端が緩んだ。
推しが険しい顔をしているよりも、こういったふうに飾らない姿を見せてくれたほうが、ずっと幸せだ。つられたようにホクホクと笑いながら、落ちた小物を手に取る。椅子が色んなものに絡まって中々に邪魔なので、元の場所に戻した。
「あ、ボクが…」
彼はそれを目にして、驚いたように言葉が零れ落ちる。ほんの少しだけ、年相応の笑顔が消えてしまったことを寂しく思うが、リドル・ローズハートという神聖な生命体に雑用を任せるのははばかられる。慌てて緩く首を振り、Noの意を示した。
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Collet(プロフ) - いろはさん» コメントありがとうございます！^^飯テロ小説初めてなので美味しいと思っていただけているのならとっても嬉しいです〜！わたしも国宝級イケメンと住みたいんですけどそんな世界線どこかにありませんかね…。 (2020年9月27日 17時) (
レス) id: 0bc2fe8691 (このIDを非表示/違反報告)
いろは - もんのすごい食レポ上手いっすね...お腹すいてきました()リドルくんと住みたいぃぃぃい (2020年9月27日 16時) (レス) id: 783a9cd7e8 (このIDを非表示/違反報告)
Collet(プロフ) - まめさん» キレ気味笑いました！ありがとうございます！頭の中で喋っているリドルくんを書き起こしているだけの状態なので、私の解釈しかこもってないんですよ…。理想通りで嬉しいです！^^ 次回更新で続編に移るので、そちらもぜひ読んでください。 (2020年8月21日 0時) (レス) id: 0bc2fe8691 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 可愛いなぁもう！！！（キレ）めっちゃ理想どうりのリドルくんで感動してます！大好きです！更新がんばってください。応援してます！ (2020年8月19日 19時) (レス) id: 9861be23cf (このIDを非表示/違反報告)
Collet(プロフ) - やなさん» ありがとうございます……ありがとうございます…リドル・ローズハートをどれだけ可愛らしく見せられるかチャレンジやってるので……"毎回楽しみにしている"とのコメントも、とっても嬉しかったです！書く気が起きました。よかったらまたコメントしてくださいね。 (2020年8月13日 2時) (レス) id: 0bc2fe8691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Collet | 作成日時：2020年6月21日 10時
