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「はぁ…ほんま、仕事増える…」
会議室の机に突っ伏して絶望しているトントンを見て笑う多数。
「はっはっは、まあそんな落ち込まなくても良いではないかトン氏よ」
「あんたが予定に無い奴を軍に入れるからそうなるんやぞおん？」
「いやいやいや、まあまあ…近接第一部隊と第二部隊に優秀な指導者ができた。暗殺部隊はゾムが幹部するしな。
いやあ、これで漸くまともに戦争ができる！実に素晴らしい」
「そういやさ、緊急で入れた子、女なんやろ？」
「おい鬱お前性別しか見とらんのか。一国を滅ぼした奴やぞ。警戒せんかい」
「見てますー。そういうのやるんはロボロの仕事やろ？」
「俺の仕事はそれを調べて皆に伝えることですー」
現在幹部のトントン、ロボロ、ウツ。そしてグルッペンが集まって駄弁っている。
オスマンとエーミールはもうすぐ来る。
「てかAさんはどこの部隊に入れるつもりなん？殺しに関しては頭ひとつどころか三つ分くらい抜けとるけどAさん」
「ああ、それだがな。近接も暗殺も既に優秀な奴が居る。空きの海軍も空軍もAさんの長所が引き出せん。
まあそこで近接部隊のどちらかに所属させるつもりだ」
「コネシマとシャオロンの腕は確かやけど…Aさんが上回るやろなぁ…」
ロボロは自身が調べたAの個人情報を思い出している。
一国を滅ぼした4歳。記憶を消され、平凡に暮らす筈だった5歳。エーミールの兄であるアベルに拾われた6歳。みるみるうちに言葉を覚えた7歳。殺しの仕事を始めた8歳。それから今まで、計16年の月日。
圧倒的な頭の回転の速さ。圧倒的な殺しの才能。天才としか言いようがない。だからこそ処刑されずに済んだのだろうが。
…しかも女だ。差別をするわけではないが、体力や体格において有利なのは男であるから。
類稀なる才能だ。軍に入れることに反論は無かった。…国が滅ぼされても困るし。
「まあ難しいところはオスマンさんとエミさんに任せることにしよう。…丁度来たみたいだしな」
グルッペンがそう言った瞬間、コンコンとドアがノックされた。
「グルッペン、ゾム連れてきたで」
「あ、私もAさんを…」
「よろしい、入れ」
来た時とは違う雰囲気のAと、堂々としているゾム。
「やはり才能があるな。力量だけでは乗り越えられないものもある」
「さすがエミさんとオスマンやな。…そういやコネシマとシャオロンとひとらんはどうするん？」
「ああ、明日来る予定だ。それでは、説明しよう」
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：天の河 x他1人 | 作成日時：2021年8月2日 18時
