【d!】殺人鬼、脅威を拾う。 (ページ20)

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エーミールさんに案内されたのは、綺麗なドアの場所だった。
中から複数人…1、2…4か。
数えていると、オスマンさんに案内されたゾムが来ていた。

「あ、ゾム。ちーっす」
「ちっす」

適当なノリで挨拶を交わした後、オスマンさんがノックをしてから扉を開けた。
やはり中には4人が居た。

「やはり才能があるな。力量だけでは乗り越えられないものもある」

何のことだかさっぱりだが、グルッペンさんは邪悪な笑みを浮かべている。

「さすがエミさんとオスマンやな。…そういやコネシマとシャオロンとひとらんはどうするん？」

コネシマ、とシャオロン。聞いたことのない名前だ。いや前は覚えてたのかもしれないが。
いかんせん幼少期のことを思い出した影響で一部記憶が抜けた。

「ああ、明日来る予定だ。それでは、説明しよう」

ここに来てから説明ばっかだなぁ、なんて思いながら聞いたグルッペンさんの話。
要約すると、私は幹部の席が空いていないので近距離部隊の兵士として戦う。ゾムは修行を積みながら暗殺部隊の隊長として信頼を集めながら皆をまとめて欲しい…らしい。あまりの無茶振りにゾムの顔が引き攣って、いや引き攣りすぎて思わず声に出ていた。「まじかよ無茶振りすぎん？」と。私もそう思うぜ。

「まあ、そういうことです。取り敢えず今日は部屋でゆっくり休んでてもろて。メイドさんが連れてってくれると思うんで。…あ、くれぐれも殺さんといてくださいね」
「…流石に殺さねぇよ」

私を何だと思っているんだ。一国を滅ぼした天才児だぞ？天才なんだから流石にそんな阿保なことはしない。
本音は女殺してもおもろない。特に仕えてたりする忠誠心の高いやつは。
綺麗な悲鳴をあげてくれないもので。
手元にあるサバイバルナイフを手ぐせで回しているとロボロさんに目で制されたので、しまった。まあ怖がらせるだけじゃ面白くないし。

後から聞いた話だが、グルッペンさんの話を聞いていた私とゾムは同じ顔をしていたそうな。