ちびわたとちゃいパパ２〜もっとなかよし〜

おいで ページ7

人見知りながらがんばって会話に参加する俺なんてまる無視で、おなかの膨れた渉はいつの間にかタマちゃんママにべったりだ。横目にやっぱり母親が必要なのかなと密かに気落ちする。

「すいません、玉森さん。重いですよね？わーた、もうこっちおいで」
「やー。わたくん、ここがいいのぉ」
奪還しようとする俺の意に反して、甘ったれた声を出した渉はタマちゃんママの膝の上にスッポリ納まってそのままパフンと胸に顔を埋める。
うん、子供って、ずるい。

「ふふ。いんですよー、藤ヶ谷さん。こっちこそ酔っ払いの旦那の相手させちゃって、ごめんなさいね〜」
タマちゃんママは見た目どおりふわふわと話しながら、
「わたくんはほんとかわいくて！ずーっとだっこしてたいくらい」渉とほっぺをくっつけあって、むぎゅーっとする。

渉さん？鼻の下伸びてるよ？こりゃあ、ただ単に女好きって感じだな。
母親を求めていたわけじゃないと安堵しつつも、女好きは誰に似たんだかと考える。…俺に似ても、でかわたに似ても結果そこは一緒か。


「もうわたくん、うちの子になっちゃう？」
タマちゃんママが渉の顔を覗きこみ冗談を言うので
「あはは。そうするか、わたー？」
余裕の出た俺が手をバイバイと振りながら答えれば、デレデレしていた渉が急に真顔になる。

「しょれは、ばめっ！」

渉はぶんぶんと頭を横に振ると、

「ちゃい！おいれ！」

とタマちゃんママの膝の上に座ったまま両手を俺に伸ばして少し怒ったようにだっこしろとアピールする。ククッ、おいでってまた偉そうに。かわいいヤツめ。

「あら、ふられちゃった。ざんねーん」
かわいい声でクスクス笑うタマちゃんママにすいませんと謝りながらも俺が「もー、渉♡横着だなぁ」と渉を抱きかかえてデレデレしてるのがバレて、「ほんとに仲良しなのねー」とさらに笑われてしまった。

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