ちびわたとちゃいパパ２〜もっとなかよし〜

めいきんぐ ページ3

『お父さんのために、わたくんは、今、金の折り紙で、メダルを折ってマース』
なんと。二階堂先生のナレーションが入るそのDVDはプレゼント作成のメイキングだった。

『何？ニカ、撮ってんの？』
『せっかくだったらがんばってる過程をさ。クックッ、きっと藤ヶ谷さん泣くぞ〜』
『あぁ〜、泣くね、絶対。ねねっ、わたくん！二階堂先生のほう見て？』

千賀先生と渉がにこにことビデオカメラに目線を向けて『『がんばりマース』』とコメントをくれる。この時点で涙腺ウルウルの俺。これじゃ先生たちの思う壺だな…


『『できたー！！』』
千賀先生が渉と作った金のメダルにピンクのリボンを通してから渉と一緒にパチパチと拍手をした。

『しぇんしぇ、わたくん、かめらもちゅくりたい！』
『カメラ？』
『ん！ちゃいねぇ、かめらがしゅきなんらよ』

渉は銀色の折り紙を大事そうに取り出して、また千賀先生と二人羽織で折り出す。
こんな小さいのに、俺のために、俺の趣味もちゃあんとわかっていてくれて。嬉しいを通り越して、胸がきゅうんと締め付けられてもはや苦しい。


場面が切り替わって今度は、金の折り紙メダルを首にかけた渉が銀の折り紙カメラを片手に一人で画面を占領して立っていた。
『はい！じゃあわたくん！練習どおりにね？せーの！』

二階堂先生の掛け声でにこにこ顔の渉がすぅーっと息を吸い込んで


『ちゃ・い・し・け、おたん、じょーび、おめれと、ごじゃますっ！』


…うっ…うぅぅぅううっ！！わ、わたるぅぅ！！！
感極まって隣室で寝ている渉を起こさないように両手で口を押さえて大号泣していた。

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