ちびわたとちゃいパパ２〜もっとなかよし〜

おめでとう ページ1

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はぁ、はぁ。勤務先の高校から猛ダッシュ。
定例の職員会議で遅くなるので延長保育を元々頼んではいたけれど、まさかの２０時過ぎ。
わた、泣いてないかな。
気持ちが急いて足がもつれる。保育園に着くころには汗だくになっていた。

「はぁ…はっ…わ、わたー。遅くなっ、はぁっ、ごめん！」息も絶え絶え教室に飛び込めば、
「あ！ちゃいすけ！おかえなさい！」予想に反してニコニコ顔の渉がとてとてと駆け寄ってくるので、その場にへたり込みながらぎゅうっと抱きしめてやる。

「わた！泣かなかった？」
「？？おりぇ、なかないよ？」きょとん顔の渉に拍子抜けするけど、安心してよかったぁとさらにぎゅうっと抱きしめていると、いつものように千賀先生と二階堂先生に笑われてしまった。

「ね、わたくん。お父さんに渡すものあったよね？」
「あ！ちゃい！はなちて！」
千賀先生に促されて、渉が身を捩って俺の両手から抜け出して子供用の作業台へと走っていく。

今度は俺がきょとんとしていると両手にキラキラ光るものを持ってまた駆け寄ってきて

「ちゃい！めでとぉ！こえね、ぷえじぇんとらよ！」

と、銀色の折り紙で作ったカメラを渡してくれた。

「え？」突然のプレゼント攻撃に反応できずにいると二階堂先生が
「藤ヶ谷さん！明日、誕生日っしょ？」いたずらっ子な笑顔を浮かべる。
「え？あ！」確かに。明日は２９歳の俺の誕生日だ。でもなんで？
「勝手にすいません！さっき資料整理してたときに、お誕生日って気づいて…」と千賀先生が恐縮するので、
「あー！いやいや！逆にすっごい嬉しいです！」と返せば、
「よかったぁ。じゃあ改めて！おめでとうございます！」と千賀先生は胸を撫で下ろし、キラキラとした笑顔で祝ってくれた。

「ちゃい！これも！わたがね、ちゅくったの！あげう！」
渉がリボンの通してある金メダルを俺にかけてから、頭をなでなでしてくれた。うわわ、ヤバイ、感動で涙でそ…。

「わたくん、メダルとカメラ、ずっと大事に取っておいた金と銀の折り紙で作ったんですよ！」
「ずーっと使わなかったもんな、わたくん。俺だったらすぐ使っちゃう」
「ガサツなニカとは違うんだよ」
「な！？失礼だな。でもわたくん、かーわいかったよな？プレゼント作ろうかって言ったら、宝物の折り紙で作る〜って」

わた、俺のために宝物の折り紙を…天使かよ！
うるうるしてる俺を見て「ほら、やっぱ藤ヶ谷さん泣いた〜」とまた二人に笑われてしまった。

おつきさま→

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