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ひげ ページ7

「はぁはぁ…間に、合った。」
渉をだっこして猛ダッシュし、なんとか保育園に到着。これなら電車にも間に合う。
肩で息をしていると、渉を受け取った二階堂先生がひっひっと笑っている。

「?」不思議に思って見つめると、二階堂先生が眉尻を下げ三日月目で笑いながら問いかけてくる。
「いや、藤ヶ谷さん。顔…どーしたんすか!?」
「え?」顔?
「ぷくくっ…ひーげ!けっこうやばいっすよ?」
「あっ!」そ、剃り忘れたー!!

「ちょっ!ニカ!笑わない!ワ、ワイルドでいいと思いますよ!」千賀先生がフォローしてくれるけど、顔が引きつっている。
「ね、寝坊してしまって…はは…」俺、顔に似合わず髭濃いんだよなぁ…うわぁどーしよ。超はずかしい…

「藤ヶ谷さん!電車!時間ヤバくないっすか!?」
二階堂先生の声でハッとする。もうこのまま行くしかない…
困り顔のまま駅に向かおうとすると千賀先生が
「藤ヶ谷さん!これ、お貸しします。」なんと電気シェーバーを渡してくれた。
「い、いいんですか?」なんで持ってきてるんだろう?いやそんなことよりありがたい。
「はい。わたくんのお迎えのとき返してもらえれば。」
「ありがとうございます!じゃあいってきます。」
「「はい、いってらっしゃい。」」

「ちゃーいー、いってっしゃあーい。」二階堂先生の腕の中でブンブンと手を振る渉に手を振り返しながら俺は駅へとダッシュした。


その日、渉を迎えに行って、千賀先生がなぜシェーバーを持っていたのか合点した。夕方の千賀先生は髭がびっくりするほど濃いのだ。おそらく昼間剃るために持ち歩いているんだろう。
ニコニコと人のいい笑顔でこちらを見る髭の濃い千賀先生に、感謝しつつも、笑いを堪えるのに必死だったことは…うん、内緒だ。

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coguma(プロフ) - めろにかさん» コメントありがとうございます!ラスト4話は一番最初に作ってありましたので予定通りですよ。なのでお気になさらず! (2016年7月7日 0時) (レス) id: cd9086678d (このIDを非表示/違反報告)
coguma(プロフ) - のあじさん» コメントありがとうございます!反応いただけて本当に嬉しいです!「いい意味でヤラれた」励みになります!続編もがんばりますので今後ともよろしくお願いします(*^_^*) (2016年7月7日 0時) (レス) id: cd9086678d (このIDを非表示/違反報告)
めろにか(プロフ) - なんか私のせいでラストおかしくなっちゃいましたか…?もしそうならごめんなさい! (2016年7月6日 7時) (レス) id: f8ad438ee5 (このIDを非表示/違反報告)
のあじ(プロフ) - こんにちは。シリーズ、とても楽しく読ませていただいております。私はオチのところ、いい意味で「マジか!ヤラれたーΣ(゚∀゚)」ってなって、続きがいっそう気になって仕方なくなりました。続編も楽しみにしていますね。 (2016年7月6日 3時) (レス) id: 8f500bfd6c (このIDを非表示/違反報告)
coguma(プロフ) - かやたびさん» 毎度ご贔屓に預かりありがとうございます!かやたびさんにそう言っていただけてホッとしました。パパママのことももっと書きたい所存です!本当にコメントありがとうございました( ´ ▽ ` ) (2016年7月6日 2時) (レス) id: bbde69f82a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:coguma | 作成日時:2016年1月18日 3時

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