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ぎゅうにゅう ページ34

公園の中へ進んでいくと大きな噴水が眼前に広がり、そこは子供達が遊ぶ元気な声で溢れていた。
しまった、絶対、遊びたがる!そう思った時には渉は繋いでいた手を解いて、きゃーと歓声をあげて走り出していた。

「あ!こら渉!」すぐ捕まえて抱きかかえると反り返って「やーっ!!あしょぶのーっ!!」と、暴れ出す。
「だーめ!今日はお着替えないの。水遊びは今度ね?」えび反りの渉を変な体勢で抱えながら、噴水を足早に後にする。

「やらー!おみじゅしゅるのー!わぁああんっ!」あー、泣き出した…
「ダメだって…もー。あ、わた!ドーナツは?!ドーナツ食べようよ!」
ちょっと早いけど提案すれば「グスン…どなち…たべりゅ…」鼻をすすり、反っていた体をやっと俺に預けて肩越しに名残惜しそうに噴水を見つめたあと、ギュッと抱きついてきた。

いい子いい子と頭をポンポンしながら桜が囲む大きな広場を抜けて、桜並木の小道をゆっくり歩いていく。
「わた、見て?桜、綺麗だよ。」話しかけても肩口に頭を埋めてイヤイヤとするばかり。

自動販売機を見つけて、「わーた?何飲む?ジュース?」ご機嫌とりに聞いてやれば、もそっと顔をあげて「…にゅにゅ…」と呟いた。
「牛乳?あるかな〜。お、あった。じゃあ牛乳にしような。ボタン押す?」
「ん、おしゅ!」お、ちょっと機嫌治ったな。あと、一押し。

抱っこされたままボタンを「にゅにゅ、ぴっ!」っと押すと紙パックの牛乳がアームに掴まれてウイィィンと取り出し口まで運ばれる。
渉はその様子を見てキラキラの笑顔でパチパチと拍手をした。ふは、泣いたカラスがもう笑った。

「ちゃいは?」
「ちゃいのも押してくれるの?」
「うん!おしてくれる!」
「ふはは、押してくれるかー。ありがとな。」
カフェオレを「にゅにゅ、ぴっ!」と押して2パックとも持ってくれた渉と近くの小上がりになってる石段の芝生面に小さいシートを敷いて並んで腰かける。

「にゅにゅっ。にゅにゅっ。」足をぱたぱたさせながら催促してくる。
「ギュって持たないよ?優しくね。」ストローさしてやって握らせれば、心得ているとばかりに深くうなづいて上手に啜っている。
「おいしーわた?」聞けば牛乳をちゅーっと吸いながらこくんと頷く。

ふふ、不思議。あいつは牛乳飲めないのに、渉は牛乳好きなんだよなー。俺も牛乳好きだから、俺に似たんだな、きっと♪
少し嬉しくなって俺もカフェオレにストローをさした。

さくら→←どーなつ



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coguma(プロフ) - めろにかさん» コメントありがとうございます!ラスト4話は一番最初に作ってありましたので予定通りですよ。なのでお気になさらず! (2016年7月7日 0時) (レス) id: cd9086678d (このIDを非表示/違反報告)
coguma(プロフ) - のあじさん» コメントありがとうございます!反応いただけて本当に嬉しいです!「いい意味でヤラれた」励みになります!続編もがんばりますので今後ともよろしくお願いします(*^_^*) (2016年7月7日 0時) (レス) id: cd9086678d (このIDを非表示/違反報告)
めろにか(プロフ) - なんか私のせいでラストおかしくなっちゃいましたか…?もしそうならごめんなさい! (2016年7月6日 7時) (レス) id: f8ad438ee5 (このIDを非表示/違反報告)
のあじ(プロフ) - こんにちは。シリーズ、とても楽しく読ませていただいております。私はオチのところ、いい意味で「マジか!ヤラれたーΣ(゚∀゚)」ってなって、続きがいっそう気になって仕方なくなりました。続編も楽しみにしていますね。 (2016年7月6日 3時) (レス) id: 8f500bfd6c (このIDを非表示/違反報告)
coguma(プロフ) - かやたびさん» 毎度ご贔屓に預かりありがとうございます!かやたびさんにそう言っていただけてホッとしました。パパママのことももっと書きたい所存です!本当にコメントありがとうございました( ´ ▽ ` ) (2016年7月6日 2時) (レス) id: bbde69f82a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:coguma | 作成日時:2016年1月18日 3時

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