ちびわたとちゃいパパ〜ふたりはなかよし〜

ぺんぎん ページ17

「よーし、わた！次はペンギンだ！」
「ペンニーン！！」
渉を肩車から降ろして、テンション高いまま、ペンギンのプールまで向かう。
お！ちょうどペンギンの散歩の時間だ。

「ペンニ！ペンニ！」興奮した渉が俺の手を離してトテトテ、ペンギンの後ろを着いて行く。
ぐぁ！かわいすぎる！！速攻でスマホを取り出して撮りまくる。

他の子供達もワラワラと集まってきて、あっという間にペンギンと子供の群れができる。少し渉より年上だろう子供がペンギンの真似をして腕を広げながら歩き出すと、渉も真似して腕を広げて少しよたよた歩きだした。
もうこうなったら動画で撮るしかない！！

群れから何匹かペンギンが逆走すると渉が
「あ、ダメダメ、まてまてー、こっちよー。」と追いかけるので余計にペンギンが逆走してしまう。

「あっはっは！わた！逆走、逆走！こっちこっち！！」動画を撮りながら渉と一緒にペンギンを誘導すると、飼育員のお姉さんに「お手伝いありがとね〜。上手ね！」と褒められて渉が「おりぇ、じょーじゅ！」とドヤ顔を俺に向けた。かわいすぎて溶けた。

デレデレしながら今度はプールの中を泳いでいるペンギンを見るために半地下部分に入ると、ペンギンがさっきとは違いビュンビュンとすごい速さで泳いでいるので、渉が水槽の前に噛り付いて歓声をあげている。

「しゅっしゅっしゅーん！！ペンニ、しゅっしゅっしゅーん！！！」
渉が唇を尖らせて水槽の前の手すりを掴んで飛び跳ねている。
その拍子にクマ耳のフードがうまいこと頭にかぶさった。ふはは、ペンギンを狙う子シロクマみたいだ。おっと、写メ写メ…

水槽から上に戻り、お昼寝しているペンギンをしばらく見た後、リスを見に行こうと移動を促すと、
「もっかい！もっかい、かたぐりまちてぇ？」と渉が両腕を伸ばすのでクルッと回転させて抱き上げて肩車する。

「よぉし！リスさん見に行くぞ〜！」
「イスさーん！」
リスさんゴーゴーと掛け声をかけながらリス舎に向かって歩き出すと、

「あれぇ？！藤ヶ谷先生じゃないですかぁ？」
急に聞き覚えのある声に呼び止められた。

そっくり→←ぞうさん

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