5:再訪 ページ5
キシベロハンは漫画家らしい。
「はぁ……これを貴方が？」
身体のどこかが悪いと言うわけでもないのにやって来るようになった彼に差し出された一冊のコミックをぱらぱらと捲りながら、相変わらずのでかい態度を見せる年下の青年を見る。
今日のサンドウィッチは卵だ。
相変わらずパンはパサパサだが、まぁそれについてはもう諦めている。
「あぁ」
「へぇ、そりゃ、手の怪我は災難でしたね」
「まぁ利き手じゃあなかったんでね」
私自身はあまり漫画を好んで読む人間ではない。
そもそも読む暇もない。
学生の頃、近所に住んでいた友人は、漫画にゲームに、そういった所謂サブカルチャーと言われるものが好きだったので、彼の影響で少し嗜んだことはあるが、それも、彼が──居なく、なってからは、全く、視界に触れることもなかった。
「Aさん？」
「え？」
弾かれたように。
そんな表現がぴったりなスピードで顔をあげた私に、キシベさんの方も驚いた顔を見せた。
「何だよ」
「……いや、名前、教えましたっけ？」
「はぁ？君、毎日自分の名前ぶら下げて歩いてるだろ？」
「……あ、」
顔写真も名前も所属も。全てが記載された名札を首から下げていることをすっかり忘れていた。
「君って意外とマヌケだな」
「ううん……」
つい数秒前の出来事も相俟って、反論することもできない。
唸る私を鼻で笑ったキシベさんはそう言えばと切り替えるように口にした。
「君は僕より歳上だよなぁ？その上医者ってことは24歳以上……実際のとこいくつなんだ？」
「……歳上だってわかってるなら、もうちょっとその態度、どうにかなりません？」
フンと鼻をならしたキシベさんはどうも態度を改めるつもりはないらしく、ちなみに僕は20だが？と先を促すだけだった。
「……28ですケド」
「ふぅん……8つ上か」
じいっとこちらを見る瞳に何だか居たたまれなくなって、ふいと視線をそらし、缶コーヒーを勢いよく傾けた。
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ちよ - 花京院の名前に反応してしまいました！露伴先生も花京院も大好きなキャラなので興奮しながら読んでしまいました^^; (2020年12月30日 4時) (
レス) id: b3a59bf25e (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新楽しみにしてます！！ (2020年11月20日 0時) (レス) id: 990f265493 (このIDを非表示/違反報告)
豆(プロフ) - レス遅くなってすみません…。露伴先生かっこいいですよね〜〜！！確かに最近は五部夢が多い印象ですねぇ……。 (2020年9月27日 20時) (レス) id: 1f2cc878d7 (このIDを非表示/違反報告)
せいちゃん(プロフ) - 岸辺露伴先生がジョジョで1番好きなキャラなので、めっちゃ楽しく読ませて貰いました！最近あまり4部の小説書いてる人が少なかったので、嬉しいです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年9月19日 18時) (レス) id: da5e2670c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆 | 作成日時：2020年9月10日 17時
