喫茶店（山コンビ） (ページ9)

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思い出ページ9

「・・・え？」

「傘、ないんでしょ？」

驚いたのは

ここがこの人の家だったってことと

俺に

声を掛けたってこと・・・だった

「・・・はくっしゅっ！！」

タイミング悪く出たくしゃみに

ふわりと笑う

「ほら、風邪ひくから」

その言葉に

後に続いて中に入ると

たくさんの客でいっぱいだった

「ただいま～」

「おう、おかえり・・・ほら傘もっていきなっていっただろ」

「忘れちった(笑)」

「まったくお前は」

カウンター席にいるおじさんはそういうと

俺に目を配った

「あ、この人雨宿りさせて」

「・・・」

少しだけ首を下げると

笑っていった

「ゆっくりしていってください」

その笑顔は

この人に似ていた

「おう！智ちゃん、今日も可愛いね」

「どうも(笑)」

「俺、智ちゃんが淹れるコーヒー飲みたいな！！」

「アメリカンお待ちー」

「あ～じいさんのかい」

「文句あるなら飲むんじゃない！」

にぎやかな雰囲気に

ここにいる自分に

不思議な感覚を覚えていた