甘えたい6月27日 ページ30
最近よく行く場所がある
そこは日がよく当たってあったかいし
ごはんもたくさんくれる
なによりここの亭主はうるさくない
毛がもこもこ〜とか、可愛い〜とか
やかましくないのがいい
猫の僕にとって
自分の好きな場所で昼寝できるのが1番嬉しいこと
くんくん
そろそろくるな
立ち上がりきっちりと座る
これはマナーだ
ここのご飯は美味しい
しかも
「おいしい？」そうやってふわりと笑うあいつは、嫌いじゃない
我ながらいい所を見つけ…
「智く〜んこのままあげていいの？…んー？あ、はいはい。水もね〜！！」
「いっぱい食べろよ〜」
「…」
誰だこいつ
なんだこの汚い盛り付け…
「あれ？食べない。腹痛いのか？」
『…お前誰だ。智は？』
「うーん…」
「翔くん」
「あ！智くんいいところに！こいつ食べないよ？」
ぴくっと耳が立ち上がる
きた！智！！
「あれ？ほんとだ」
「いつもならすぐ食べるのになぁ」
しゃがみこんで僕の顎下をなでる
あーこれこれ〜…
「そうだ、さっきお魚ちょっと余ったから入れてあげる」
そう言って返ってきたお皿は
変わって、綺麗に盛り付けられていた
「にゃ〜♪」
やっぱり智はよく分かってる！
「おーおー！食いしん坊になった(笑)！」
翔くんとやら、もっと猫の気持ちを分かってから出直してこい
「なんかいまプイってされた気がする！？」
「ふふ」
食べたら眠くなってきて
丸くなった
「智ちゃん、注文お願いね〜」
「はいよー」
じゃあね、猫くん。と智がいなくなった
あっちでは人間達がにぎわってるけど
ここは、いつだって指定席
僕だけの席だ
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作者名：青とんぼ
| 作成日時：2014年10月6日 21時
