55. 〃 ［際会］ ページ5
「こらぁ！どこのどいつだ！」
おっちゃんの怒号がオレの耳をつんざいた。今さっきヒビの入った、大きく〈毛利探偵事務所〉と書かれた窓をガラリと開け、おっちゃんは叫ぶ。
オレは若干息を切らしながらも、口先だけの反省をした。
「ごめんねー、ちょっと強く蹴り過ぎちゃって……」
事務所の窓ガラスにボールを当ててごめんねと、オレはフニャリと笑ってそう返す。
おっちゃんは依然怒りをあらわにしていたが、今はそれで良かった。
「それより、競馬どうなった？そのイヤホンで聞いてんでしょ？」
オレは続けておっちゃんに話しかけた。
正直オレは競馬の結果など、どうでもよい。しかし今は、少々ごり押しであったとしても“毛利小五郎はイヤホンで競馬を聞いていた”ということを証明することが最優先だったのだ。
オレが無邪気に結果を聞いたからか、おっちゃんは「お前のせいで負けちまった」と更に怒りを加速させてしまった。
それらを苦笑いで済ませたオレは、再び耳に入ってくるであろう
しかし、オレの耳に入ってきたのは、もう聞き慣れたとある男の声だった。
「コナン君、何かやらかしたの？」
「え、月城さん？どうしてここに……？」
◇◆◇
事は朝まで遡る。オレはこの日、おっちゃんに舞い込んだ依頼を解決すべく、とあるアナウンサーの家に泊まり込みで調査をしていた。
結果で言えば、その事件は無事解決したのだが、オレがその時に仕掛けていた盗聴器と発信器が、偶然奇妙な音を拾ったのだ。
いや、拾って
オレはその偶然に付いてしまった盗聴器から聞いてしまったのだ。先の事件で依頼をしてきたアナウンサーこと水無怜奈が、オレの追っている組織のボスのメルアドを打ち、その後かけた電話で「ジン」と口にしたのを。
それはつまり、水無怜奈は組織の人間であるということ――
オレは組織が暗殺計画を進めている事を知り、危険を顧みず追跡を始めた。
その途中に水無怜奈をマークしていたFBIと合流し、オレは暗殺計画を阻止することに成功するも、しかしそこで問題は起こる。盗聴器の存在が組織にバレてしまったのだ。
そして、あろうことか盗聴器を仕掛けた犯人に、つい先程まで水無に接近していたおっちゃんにその疑いがかけられてしまった。
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izawa(プロフ) - 東雲虚さん» ありがとうございます！ (7月24日 21時) (
レス) id: f153ef9291 (このIDを非表示/違反報告)
東雲虚 - とても面白い作品でした 更新楽しみに待ってます！ (7月10日 14時) (レス) @page41 id: 272de617c9 (このIDを非表示/違反報告)
izawa(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2022年10月5日 19時) (レス) id: f153ef9291 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 51話、ブロンズヘアーじゃなくて、ブロンドヘアーです。 (2022年10月5日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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